楽天モバイルが月額2980円(税別、以下同)の「Rakuten UN-LIMIT」で、自社エリアに限定されるもののデータ通信使い放題を提供してきたことで、まずUQ mobileが対抗の「スマホプランR」を導入。その後、Y!mobileが高速データ通信容量を増量した他、それを使い切っても「最大1Mbps」で利用できるように「スマホベーシックプラン」を改訂した。手頃な料金でスマホを持ちたい人たちにとって、この3社の料金プランは魅力的だ。

 一般的に、スマートフォンの料金プランは月額料金と高速データ通信容量で比較されがちだが、3社の場合、音声通話料にも見逃せない違いがある。また、契約するときには回線だけでなく、端末をセットで購入する人が多いはずで、取り扱い機種のラインアップも選択に影響してくる。そこで、3社の料金プランと取り扱い端末、iPhoneの対応状況などを比較してまとめた。

●料金プランの基本項目を比較

 まずはデータ通信を中心に比較する。楽天モバイルのプランはRakuten UN-LIMITの1つだけで、データ通信無制限なのが最大の特徴。しかし無制限なのは楽天エリアのみで、それ以外のauにローミングしているエリアでの容量は5GBまで。ヘビーユーザーはエリア外での利用に注意が必要。

 UQ mobileはスマホプランRを導入したことで、スマホプランM/Lは2020年5月末で新規受付を終了し、プランが2つに整理された。Y!mobileは一見、UQ mobileよりも料金が高く見えるが、これは通話の国内10分かけ放題を含んでいるため。UQ mobileのスマホプランS/Rに、後述する国内10分かけ放題の通話オプションを付けると、Y!mobileのスマホベーシックプランS/Mと同じ月額料金になる。こうなると2社の違いは、新規契約の場合の6カ月間の割引の有無、データの増量特典の容量、データ量の繰り越しの有無程度。

 なお、データの増量特典を受けるには、それぞれ条件がある。さほど難しい条件ではないが、増量特典はともに、終了時期は明示されていないもののキャンペーン扱いとなり、無料で増量されるのは13カ月間のみ。

 データ容量の上限を超えてしまった場合の低速時の速度「1Mbps」にも、細かい違いがある。UQ mobileは手動で低速にできるが、Y!mobileはできない。詳しくは「Y!mobile、UQ mobile、楽天モバイルで違いは? 『制限時1Mbps』を比べてみよう」を参照してほしい。

●音声通話の扱いはそれぞれ異なる

 楽天モバイルでは、「Rakuten Link」アプリを使う限りは、通話とSMSの送信が無料。海外から国内への通話も、Rakuten Linkアプリを使えば、66の国と地域で通話、SMSの送信が無料になる。Rakuten LinkアプリはiPhone向けも提供されている。今はコロナ禍の影響で海外に行きにくい状況だが、海外でも日本に無料で電話をかけられるのは安心だ。

 UQ mobileのスマホプランには通話料は含まれていない。着信専用でない限り、通話オプションのいずれかを付けた方が安心だろう。電話をかけることが少ない人にも、月額500円で1カ月60分までの通話ができる「通話パック(60分)」が用意されている。

 Y!mobileはスマホベーシックプランに10分かけ放題が含まれている。それ以上、電話をかけることが多いなら、月額1000円で国内通話がかけ放題になる「スーパーだれとでも定額」を付けることができる。

●iPhone対応度はUQ mobileとY!mobileが優秀

 iPhoneの対応状況も見ていこう。

 楽天モバイルのSIMを使えるのは、iPhone XS/XR以降のSIMロックフリーのiPhoneとなり、eSIMも使えるのが特徴。大手3キャリアのようにSIMカードを入れるだけでOKではないが、APNを手入力することでデータ通信もできるようになる。MVNOのようにAPN構成プロファイルをダウンロード&インストールする必要はないので、初期設定にWi-Fi環境は不要。

 UQ mobileのSIMは、iPhone SE(第2世代)やiPhone 7など、UQ mobileが扱っているiPhoneではもちろん利用でき、APNの設定は不要。

 auで販売されたiPhoneもUQ mobileのSIMで利用できるが、iPhone 6sシリーズ、iPhone 7シリーズ、初代iPhone SEはSIMロック解除が必要。iPhone X/XR/XSシリーズ/11シリーズは、SIMロック解除は不要だがAPN構成プロファイルのインストールが必要。

 Y!mobileのSIMには、自社で扱っているiPhoneの他、SIMロックフリー版のiPhone 5s以降が対応している。他キャリアのiPhoneもSIMロックを解除すれば使え、iPhone 6s以降で動作することが確認されている。なお、ソフトバンクのiPhoneもSIMロック解除が必要。iPhone 11シリーズのみAPN構成プロファイルのインストールが必要だが、それ以外の対応機種はSIMカードを挿すだけでよい。

 楽天モバイルのSIMは一部のPhoneで使えないこともあるが、UQ mobile、Y!mobileはSIMロックフリーのiPhoneであれば、現在、出回っているモデルはほぼ使えると思っていいだろう。

●最新の端末ラインアップをチェック

 最後に、最新の端末ラインアップを確認した(2020年9月22日現在)。楽天モバイルは9月に5Gサービスを始めると表明しており、3社で唯一、5G端末の「AQUOS R5G」を用意している。また、オリジナルの超小型スマホ「Rakuten Mini」という個性派端末もある。型落ちモデルだが、Galaxyのハイエンド、SシリーズとNoteシリーズをそろえているのも魅力。買いやすいミドルレンジ端末も豊富。全13機種をラインアップしている。

 UQ mobileとY!mobileはiPhoneを取り扱っているのが魅力。Y!mobileは当初、iPhone SE(第2世代)は64GBモデルのみの取り扱いだったが、9月11日に128GBモデルも発売した。

 また、UQ mobileはau、Y!mobileはソフトバンクのサブブランドという立場のせいか、ハイエンドモデルがない。どれも買いやすいミドルレンジ端末ばかり。UQ mobileは2020年になって投入された新モデル「Galaxy A41」「OPPO Reno3 A」「AQUOS sense3 basic」「BASIO4」を含め10機種をそろえている。

 Y!mobileが2020年に投入した最新モデルは、iPhone SEの他に「OPPO Reno3 A」「かんたんスマホ2」「Xperia 10 II」があり、現在購入できる端末は13機種となっている。AQUOSシリーズはないが、「Android One」シリーズにシャープ製端末がある。Xperiaのミドルレンジをそろえているのも魅力的。

●まとめ:エリア、データ、通話の違いを確認すべし

 料金は楽天モバイルの2980円データ使い放題に、UQ mobileとY!mobileが対抗するという1対2の状態。この3ブランドから選ぶ際には、エリアが狭くても使い放題が可能な楽天モバイルか、データ量に制限はあっても全国津々浦々で安定して使えるUQ mobileあるいはY!mobileかを、まず決めることになる。

 UQ mobileとY!mobileは音声通話の扱いが異なる程度で、料金面であまり差がない。音声通話をほとんどしないのであればUQ mobileの方が選びやすい。

 端末は三者三様だが、楽天モバイルに現在、iPhoneの取り扱いがないのが残念。正規でiPhoneを販売できるようになったら、業界に大きな動きが現れるかもしれない。今後に期待したい。