ジョージア工科大学 、Facebook Artificial Intelligence Research、スタンフォード大学による研究チームが開発する「Learning to Collaborate from Simulation for Robot-Assisted Dressing」は、ロボットの手助けで患者が効率よく服を着せ替えられる、強化学習を用いた支援システムだ。

 介護や看護の現場での患者の着せ替えは現状、人力で行われている。しかし、プライバシーや安全性の面から人力作業は最善ではないだろう。このシステムでは、ロボットが自動で患者の着せ替えを行うアプローチで課題解決を目指す。

 まずは上着を手から通して着せる動きをロボットアームで再現するモデルを作成する。

 学習には物理シミュレーションを用いて、人間とロボットの制御ポリシーを別々のネットワークとして同時に訓練する。また、対象者の筋力低下、不随意の腕の動きおよび可動域の制限など、着替えに関連する人間の障害の変動もパラメータ化し、特定の障害があるユーザーに対して最適化したモデルに仕上げてパフォーマンスを向上させる。

 実験では、訓練したモデルを物理的なロボットシステムに適用してテストした。患者に見立てたヒューマノイドロボットに対し、ロボットアーム1本および2本で病院のガウンやプルオーバーシャツの着替えタスクを行わせて、評価する。

 結果、滑らかに着せ替えを行わせることに成功した。動画では、実際に行った実験の様子を確認できる。

※この記事は、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。