アスクルが7月10日に発表した2020年5月期通期(19年5月〜20年5月)の連結業績は、売上高が前期比3.3%増の4003億7600万円、営業利益が同95.1%増の88億2100万円、最終利益が56億5200万円の黒字(前期は4億3400万円の赤字)と増収増益だった。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で第4四半期の売上高は落ち込んだものの、顧客数が増えるなど、第3四半期まで堅調に推移したことから通期業績は伸長した。一般消費者向けECサイト「LOHACO」の収益性の改善も好決算に寄与した。

●EC事業が大幅増益

 セグメント別の業績は、eコマース事業の売上高が3924億600万円(前期比3.0%増)、営業利益が91億8800万円(同82.8%増)と大幅な増益だった。

 同事業のBtoC領域では、通販サイト「LOHACO」を、親会社ヤフーのECサイト「PayPayモール」に出店したことなどで収益性を改善した。LOHACOで飲料を買う際、商品が段ボール1箱に収まるよう工夫した顧客の配送手数料を無料にする施策も行い、配送コストも削減。LOHACO事業単体の赤字幅を縮小した。

 BtoB領域では、SEO対策やインターネット広告を強化したことが奏功し、検索エンジン経由で同社のECサイトを訪問する新規顧客が増えたため増収につながった。

 ロジスティクス事業の業績は、売上高が71億9700万円(前期比29.5%増)、営業損益が4億円の赤字(前期は5億1700万円の赤字)。9月以降に稼働予定の新たな物流拠点「ASKUL三芳センター」(埼玉県入間郡)の建設コストを計上した影響などで赤字となった。

●コロナの影響で今期は減益予想

 21年5月期通期(20年5月〜21年5月)の連結業績予想は、売上高が前期比0.7%増の4030億円、営業利益が同18.4%減の72億円、最終利益が20.4%減の45億円。新型コロナウイルスの影響でオフィスの形態や消費者の生活様式が大きく変わることを予測し、増収減益を見込む。

 コロナ禍でも成長を続けるため、今後はさらなる収益性の改善に着手。eコマース事業のBtoC領域では、Webサイトにヤフーのシステム基盤を導入し、運用コストを削減する。配送面では“置き配”を積極的に活用する。BtoB領域では、AIを使ってECサイトの訪問者に商品をレコメンドする仕組みを強化する。

 自社の働き方も刷新し、テレワークとフレックスタイム制を導入。出社する社員に検温とマスク着用を徹底するなど、新型コロナウイルス対策を進める。