京都産業大学の研究チームによる「人工大理石透過型LEDディスプレイとそのタッチインタフェース化の試み」は、人工大理石の表面を直接触って操作できるタッチディスプレイにする技術だ。

 キッチンや洗面台向け素材の一種である人工大理石(樹脂)は、光を透過、拡散する特性を持っている。新技術ではこの特性に着目し、テーブルトップの天板背面側の狭い隙間にパネルを設置することで、表面からは見えない埋め込み式ディスプレイとして機能させる。

 パネルには、チップLEDで構成されたフルカラーLEDマトリクスを使用する。この状態でLEDを制御し発光させると、まるで人工大理石がプロジェクターで投影されているかのように表示される。

 人工大理石は可視光だけでなく赤外線も透過する特性があることから、赤外線LEDとフォトダイオードを天板背面側に設置することで、表面のタッチ検出や物体検出も可能になる。

 大理石のキッチンテーブルにレシピ情報やキッチンタイマーを表示し操作する、電話着信のアイコンを表示してタッチで電話に出る、大理石の浴槽や洗面台にモーショングラフィックスで鮮やかに演出する――などの応用例が考えられるだろう。今後は、LEDマトリクスのディスプレイに赤外線LEDとフォトダイオードを配置した統合型パネルを作成し、実際のキッチンや洗面台で試用していくという。

※この記事は、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。