NTTドコモが月間データ通信容量20GBの新プラン「ahamo」(アハモ)を月額2980円(税別、以下同)で2021年3月から提供すると発表した。こうした動きに対し、業界の各社はどんな反応を示したか。各社から得た回答をまとめた。

 KDDI、ソフトバンク、楽天は様子見の構えを見せたが、MVNOである日本通信とインターネットイニシアティブ(IIJ)はドコモとMVNOとの接続料について「改善の余地があるのでは」とする考えを示した。

●KDDI:新プランには「コメント差し控える」、総務省からは「一定の評価頂いている」

 KDDIはドコモの新プランについて「他社の戦略についてコメントする立場にないため、コメントは差し控えさせていただく」と直接の言及を避けた。新プランの市場への影響については「動向を注視していきたい」とした。

 携帯料金の値下げを巡っては、KDDIとソフトバンクはサブブランドを使った格安プランを発表したが、武田良太総務相は会見で「携帯料金の主力ブランドで新プランないのは問題」「羊頭狗肉だ」などと発言し、批判していた。

 この発言への受け止めについては「当社は、国際的に比較しても遜色ない料金という政府・総務省の要請を真摯に受け止め、新たな料金プランをUQ mobileで11月末にいち早く発表した。大臣会見では『アクションプラン発表後、割安なプランが発表されて選択肢が増えた』と一定の評価もいただいていると認識している。まずは、この新プラン導入後のお客様の反応や他社動向を注視していきたい」とコメントした。

●ソフトバンク:「Wブランドでニーズや市場環境を見ながらサービスを検討」

 「個別の企業に対するコメントは差し控える」とした上で「ソフトバンクとY!mobileはWブランドでお客さまが最適なプランを選択していただけるようサービスを展開し、これからもお客さまのニーズや市場環境を見ながら継続的にサービスを検討していく」とした。

●楽天:「既成概念にとらわれないサービス提供を」

 楽天はドコモの新プランに対し「当社としては引き続き、既成概念にとらわれず、ユーザーの方に使いやすく、付加価値の高いサービス提供を目指し、努力を続ける」と回答。

 市場への影響については「消費者の通信費負担を軽減し、利用者のニーズに合ったものを適切かつ自由に選択できるようにするためには、モバイル市場における公正な競争の促進が必要だ」と述べるにとどめた。

●日本通信:「サブブランドは『一物二価』で、極めて大きな問題」

 日本通信はドコモの新プランに対し「接続料と料金が真の原価ベースになるかどうか、全ての問題はそれ次第だ」と回答。ドコモの帯域を使用する、同社などMVNOの料金プランを下回ることになり、発表直後はMVNOの動きに注目が集まった。

 こうした動きに対し、「真の原価ベースであるということが担保される限りにおいて、MVNOは十分に戦っていける」と自信を見せる。「最も大切なことは、総務省が接続料や卸料金が真の原価ベースであることの検証を、これまで以上に精緻かつ踏み込んで行うことだ」とした。

 KDDIとソフトバンクの大手2社がサブブランドを使った格安プランを打ち出していることについては「サブブランドは、同じ通信設備を用いながら利用者によって価格が異なる『一物二価』となっており、公共性の高い携帯料金の在り方からすれば、極めて大きな問題であるのは明らかだ」と指摘し、2社を牽制した。

 日本通信は回答送付後の12月4日、ドコモの料金をさらに下回る新プランを発表した。

●IIJ:「今回の新プランとは直接的には競合しない」

 インターネットイニシアティブ(IIJ)はドコモの新プランに対し「当社の個人向け通信サービス(IIJmio)の場合、主力プランは低価格・低容量帯のため、今回の新プランとは直接的には競合しないとみている」との見方を示した。

 サービス形態としても、IIJmioはahamoとは違うとしている。「家族向けや、1人で複数の回線(タブレット)をお持ちの方向けに、1契約で複数のSIMカードが利用できるプランを提供している。その使い方にメリットを感じている方にとっては競合にならないと考える」(同)

 ただ「中容量のプランを1人で使っている利用者も一部にはいるため、そういった方には新プランは魅力的に映るのではないか」とした。

 武田総務相の「羊頭狗肉」発言に対しては、「限定的な回答は控えさせていただきたい」としつつ、武田総務相の「通信料の負担軽減を国民が実感することが必要」とのコメントには「共感する」といい、「MNOが料金を見直し、国民の負担軽減につながることは良いことだ」とした。

 同社は「引き続き国民の期待に応える、低価格帯を含む多様なサービスが提供されるためには、継続してMNOとMVNOによる公正な競争環境が維持されることが必要だ」と主張。

 「安価なサービスを自社顧客に提供できるということは、コストがその分下がっているはず」と述べ、「公正な競争環境維持のためには、MNOからMVNOへの卸価格にも、MNOのエンドユーザー料金低減を可能にしたコストが適正に反映されるべきだ」と改善を求めた。