Appleの新型モバイルPC「MacBook Air(2020)」。店頭販売された2モデルのうち、上位構成(Core i5モデル)を数回に分けてレビューしている。

 今回は、(恐らく)多くの人が気にしているであろう、新しいMacBook Airの「USB端子」について見ていきたいと思う。

●先々代、先代と同じポート構成

 過去3回の連載でも触れているが、新しいMacBook Airの外観は過去2世代とほとんど変わらない。よく見るとキーボードの方向キー回りが変わったことに気付く程度だろう。

 この点はポート類も例外ではない。左側面にThunderbolt 3端子×2、右側面にイヤフォンジャックという構成は、先々代や先代と同様だ。

 2基のThunderbolt 3端子に機能差はなく、共に以下の機能を備えている。

・USB 3.1 Type-C

・USB Power Delivery(USB PD)電源入力

・DisplayPort(映像)出力

 厳密には、DisplayPort出力で「1台の外部6Kディスプレイで6016×3384ピクセル解像度、60Hz、数百万色以上対応」という機能強化がなされてはいるのだが、Thunderbolt 3経由での外付けGPUボックスのサポートなど、基本的な機能も先々代や先代と変わらない。

 左右どちらのポートも同じ機能を備えているので、「こっちのポートに電源をつながないと……」「あ、こっちのポートは映像出せないんだった……」といった迷いとは無縁で、便利に使える。

●2つしかないUSB Type-C端子を生かす「戦略」

 MacBook Airに限らず、最近のMacBookファミリーの外部接続端子はUSB Type-C(Thunderbolt 3)端子とイヤフォンジャックだけである。見た目がスッキリする反面、視点を変えると不便さを覚えることも少なくない。デバイスを接続するのに“変換”しなければならない場面が多いからだ。

 まず、USBデバイスを考えると、確かに電源アダプター類はUSB PD対応品が増えているが、USBメモリは何だかんだでUSB Type-Aコネクターを備えるものが今でも主流だ。ケーブルを介して接続する場合でも、PCやMac側はType-Aコネクターになっている。

 USBデバイスを接続するために、現時点では「Type-A to Type-C変換アダプター」を用意しておいた方が良い。「私はType-Cコネクターを持っている機器でそろえられる!!」と胸を張っていても、電源回りを除くと、それを実現するのはなかなか難しい。変換アダプターは税込みでも1000円しない程度で買えるので、少なくとも1つは持っていても損はない。

 ただし、ケーブル部分のない直結型の変換アダプターを購入する場合は、隣接するUSB Type-C端子との「空間」を考慮に入れないと、別のコネクターと干渉することがあるので気を付けよう。

 最近でこそ、USB Type-Cケーブルで直結できるディスプレイは増えてきている。しかし、現時点ではDisplayPortまたはHDMIに変換しないと接続できないディスプレイがほとんどだ。よく接続する映像機器に合わせて、何らかの映像変換ケーブルまたは変換アダプターを用意しておくことをお勧めする。購入する際は、DisplayPort Alternate Modeに対応するものを選ぼう。

 USBも映像も変換……となると、USB Type-C端子が2基しかないことがネックになりうる。それぞれを別々に接続していると、電源を接続できなくなる恐れがあるからだ。1つの端子に多くの機能を持たせると、「何かをつなげない」ということはよく起こることではある。

 いろいろな機器を接続する機会が多い場合は、各種変換機能を1台でまかなえる「マルチハブ」「ドッキングステーション」と呼ばれる機器を1つ用意しておくと便利だ。MacBook Airなら、そのボディーに最適化された製品を選べば見た目もスッキリする。

 ただし、専用の製品は汎用(はんよう)性がほぼゼロとなる。複数台のPC、Mac、スマホやタブレットと共用する前提なら、ケーブル接続タイプの製品を用意すると良いだろう。

 特にドッキングハブを利用する場合は、USB PD電源を本体にパススルーする機能を備えるものをお勧めしたい。少し値は張るが、ドッキングハブにUSB PD電源をつなげておけば、電源を含むさまざまな接続をハブのケーブル1本でまかなえるようになる。

 自宅のデスクなどに設置するタイプのドッキングステーションには、Thunderbolt 3に対応するものもある。USB Type-C対応のものと比べると値はさらに張るが、複数のUSBデバイス、高解像度(あるいは複数枚)のディスプレイに有線LANといったような、複数種のポートに同時アクセスするような使い方をする場合は、USB Type-C対応品よりもパフォーマンス面で有利だ。

 変換アダプターや変換ケーブル、ドッキングステーションなどでどうにかなるとはいえ、「何でも直接接続できることが美しさある」と考える人にとって、USB Type-C(Thunderbolt 3)端子しか備えないノートPCやMacBookファミリーは使い勝手の面でストレスとなりうる。

 一方、スマートフォンを中心にUSB Type-C接続の機器で身の回りを固めている人、あるいは変換ソリューションの利用に違和感を覚えない人なら、USB Type-Cのみ備えるPCでも案外困らないだろう。

 現行のMacBookファミリー、あるいはWindowsノートPCでもUSB Type-C端子しか備えないモデルを購入しようと検討している人は、事前に自分なりの「USB端子戦略」を練ってみることをお勧めしたい。