強い揺れ、バス転落の恐怖今も 岩手・宮城内陸地震10年

強い揺れ、バス転落の恐怖今も 岩手・宮城内陸地震10年

 奥州市衣川で震度6強を観測した2008年6月の岩手・宮城内陸地震から、14日で10年。同市胆沢若柳の山あいで会員ら20人が乗ったバスが約30メートル転落した、同市の胆沢ダム水資源のブナ原生林を守る会事務局の小野寺正英さん(74)=同市胆沢若柳=は「犠牲者は出なかったが、それぞれの心に重いものを残した」と記憶をたどる。自然観察会を企画した小野寺さんも自責の念に駆られ、恐怖は今も胸に残る。

 一行は午前8時、バスで奥州市の旧石淵ダム(胆沢ダム完成により水没)上流部に向かった。参加者は奥州市内の50〜60歳代が中心で、古代の生活痕などを見る予定だった。「いつもは10〜15分遅れで集まるのに、その日は集合時間の10分前にはみんながそろった」と、予定より早く出発した。

 同ダム手前から南側に向かう林道に入り、20分ほどたった午前8時43分。山林の中で大きな揺れに襲われた。バスは右側から崩れてきた土砂と樹木に押され、谷側に傾いて止まった。

 前の方に座っていた小野寺さんは、運転手から「慌てず、荷物は後で」と声を掛けられ、土砂で埋まった窓の隙間から脱出。車内から女性らを引き出したが、12人が外に出たところで余震が発生し、8人を残したままバスは転がり落ちた。

 大木にぶつかって止まったバスは窓ガラスが無くなり、座席も壊れた。出血して動けない重傷者もいたが余震は続き「地面は動き、谷底からうなり声が聞こえた」と、さらにバスが転落しないか恐怖に襲われた。

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