「風土計」【岩手日報】

2017.3.21「黙れ」などと住民を一喝したら、たちまち並の首長は支持を失う。「黙れ」と言って男を上げたのは、この人ぐらいだろう。東京都知事時代の石原慎太郎氏のことだ▼今や忘れられつつあるが、東日本大震災の被災地では大量のがれき処理が難題だった。全国の自治体に協力を求めても、放射能汚染を誤解して住民は反対する。怒りを恐れた首長は尻込みし、処理は進まない▼他に先駆け、岩手のがれきを引き受けてくれたのが東京都だった。都庁に届く3千件の抗議に「黙れ」とたんかを切った。「言うべきことを言うのが行政の主宰者の責任だ」と石原氏から聞いたのを思い出す▼その人が百条委員会の証人席に立たされた。豊洲市場への移転問題で、過去の責任を問われている。石原氏といえばディーゼル車の排ガスを規制し、環境庁長官の経歴もある。環境のことには一家言持つはずだが▼「詳細は覚えていない」「部下に任せていた」とはぐらかす。震災がれきと違い、豊洲は本当の汚染が報告されていた。移転を急ぐ周囲を「黙れ」と一喝し、踏みとどまることもできた。灰色のまま、疑念は残る▼小池百合子都知事の言を借りれば「石原さんらしくない」。「言うべきことを言うのが責任」のはずなのに、残念の感が強い。岩手にとっては、がれき処理の「恩人」だけに、ことさら。

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