NHK連続テレビ小説「虎に翼」の第36話が20日、放送され、ヒロインの佐田寅子(伊藤沙莉)が依頼人に感情移入する姿に、夫・優三(仲野太賀)にかけた言葉が視聴者の間で話題となった。

日本初の女性弁護士で、のちに裁判官になった三淵嘉子さんの人生をもとにした物語を描く朝ドラ「虎に翼」。この日から、ドラマは第8週「女冥利に尽きる?」(第36〜40話)が放送され、優三と寅子が、恩師の明律大法学部教授、穂高重親(小林薫)に結婚を報告すると、穂高は弁護の依頼が次々と来るようになり、順風満帆の寅子を祝福した。

ある日、事務所に借金を繰り返す夫と離婚したいという女性が相談にやって来た。寅子は女性に寄り添い、弁護をすることを決めた。女性からの離婚が難しい状況を、雲野六郎(ドランクドラゴン・塚地武雅)の法律事務所で手伝いとして働く学友、山田よね(土居志央梨)が心配するが、寅子は同じ学友、大庭梅子(平岩紙)を思い出し、「どこまで何ができるか分からないけれど力になりたいの」と述べた。結局、女性の夫は出征することになり、依頼は取り下げられたが、数日後、今度は亡き夫の両親から訴えられた両国満智(岡本玲)の弁護を担当することになった。

家に戻った寅子は寝室で優三に状況を説明。満智は半年前、歯科医だった夫が4歳の息子・小太郎(藤元萬瑠)とおなかの子を残して病死したため、子どもを養育するために仕事を探したが見つけることができず、そんなときに夫の友人だった歯科医、神田からある提案を受けたと伝えた。「提案?」と不思議がる優三に寅子は、神田が出張医療所を作り、その賃料を支払うことで満智らを養うことになったと解説。夫の両親は、この行為で満智が神田の妾になったと「母の著しき不行跡」を主張して、孫たちの親権を剥奪すべく訴えを起こしたと報告した。

満智は義父母からの援助が受けられずに、仕方なく提案に乗っただけだと憤慨する寅子。また、一緒に満智の話を聞いていたよねが、親権を得たい義父母が、あえて満智に満足な支援を与えず冷遇し、道を外れるよう図ったのではないかと推測したことを振り返り、「私もそうじゃないかと思っているの」と力説。優三も「それが立証されれば、かなり有利になるね」と同意した。だが、「あ〜、もういつになったら女の人ばかりが、つらい思いをする世の中が終わるのかしら!」と怒りの収まらない寅子に、優三は「トラちゃん、深呼吸」と一言。さらに優三が突然、顔を近づけて「決めつけて突っ走ると思わぬヘマをするから」となだめると、寅子はギョッとつつも否定した。優三は「まあ、それだといいんだけど」となおも寅子を心配そうに見つめた後、床につくのだった。

公判は、寅子らの推察をもとに尋問を進めて裁判官の心証を引き寄せ、義父母の訴えは棄却された。しかし、裁判を終えた後に資料を読み返した寅子は亡き夫の病状からお腹の子の父が夫ではないことに気がついた。数日後、事務所にやって来た満智を寅子が問いただすと、満智は「やっぱり女の弁護士先生って手ぬるいのね」と悪びれずに笑い、2人の子供が神田の子だと認めて、帰っていった。

法律家を目指しながら、志半ばで夢を断念した優三。夫となり、寅子を陰でバックアップする姿にX(旧ツイッター)には「アドバイスが的確」「寝室が佐田弁護士事務所となっている」「そばにいてくれるだけ、ありがたい」「最高、最強のパートナー」と存在の大きさを実感する人が多くいた。また、寝室で突然、顔を近づけた優三に対する寅子の表情に、「明らかにドギマギ意識しているのは寅子」「そして寅ちゃんのドギマギが良い感じ」「寅ちゃんはドギマギしない!」そのドギマギぶりを楽しむ視聴者も見受けられた。

一方で、「アドバイスもらっていたのに…」「深呼吸! が当たった」と優三の助言が活かせなかったことを残念がる人も多くいた。