安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

【まとめ】

・「特別定額給付金」の申請をスマホでやってみた。

・PCやスマホで申請できるが、マイナンバーカードが必要。

・暗証番号入力も必須、時間もかかってかなり大変。

 

今回の新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、家計支援として全国民に配られる「特別定額給付金」(以下、給付金)の申請はいつから始まるのだろうと思ってアプリを開いてみたら、筆者の住んでいる東京都世田谷区では5月2日からすでに始まっていた。申請開始は自治体によって異なるので各自住んでいる自治体のHP等で確認すると良い。

▲写真 マイナンバーカード(表) 出典:タンジェント

▲写真 マイナンバーカード(裏) 出典:タンジェント

先日、給付金のネット申請に備えて、マイナンバーカードの暗証番号を再取得した経緯は報告した。(参考記事:「10万円給付とマイナンバーカード」)その際、スマホにアプリを二つダウンロードした。一つが、「マイナポータル」、もう一つが「マイナポイント」だ。給付金の申請は前者の「マイナポータル」から行う。

▲図 マイナポータルAPアイコン 出典:AppleStore

前回も書いたが、パソコンでやる場合、マイナンバーカードを読み取るためにカードリーダーライターが必要だ。持っていない人はスマホでやることになる。筆者はiPhoneで申請してみたので紹介する。

手順は以下の通りだが、かなり時間がかかるので覚悟したほうがいい。

 

■ スマホによる給付金申請手順

1 まず「マイナポータル」を起動し、「ぴったりサービス」をタップする。

▲図 マイナポータルAPの画面キャプチャ ©Japan In-depth編集部

2 「特別定額給付金」オンライン申請の画面に切り替わる。

「地域を選んでください」→郵便番号を入力し、「地域を検索」ボタンクリック。

3 「ぴったり検索」から「特別定額給付金」を選び、「この条件で探す」をクリック。

4 「特別定額給付金」申請画面に切り替わる。「申請する」をクリック。

▲図 マイナポータルAP「特別定額給付金」申請画面キャプチャ ©Japan In-depth編集部

5 「電子署名を付与しなかった場合、以下の手続きはぴったりサービスから申請できません。特別定額給付金申請に進んでもよろしいですか?」と聞いてくるので、OKをクリック。

6 「申請方法の確認 ぴったりサービスで申請する手続きの確認」画面が現れるので、「特別定額給付金 ※電子署名が必要」にチェックが付いていることを確認して、「次へ進む」をクリック。

7 「電子署名付与の動作環境確認」画面に行くので、

 STEP1「OSの種類・バージョン」→対応しています。

 STEP2「ブラウザの種類・バージョン」→対応しています。

 STEP3「マイナポータルAPがインストールされています」にチェックを入れる。

 STEP4「マイナンバーカードを持っています」と「署名用電子証明書の暗証番号を覚えています。又、ロックもしていません」にチェックを入れる。

最後に「次へすすむ」をクリック。

▲図 マイナポータルAP「電子署名付与の動作環境確認」画面キャプチャ ©Japan In-depth編集部

8 「ご連絡先画面の入力」画面に移るので、メールアドレスか電話番号を入力し、「次へすすむ」をクリック。

9 「申請者情報の入力」画面に移る。「マイナンバーカードを読み取り」ボタンを押すと、マイナンバーカードの「券面事項入力補助用パスワード(暗証番号)」入力ウインドウが表示されるので、入力する。

※この「券面事項入力用パスワード」は前記事に書いたように、数字4桁の番号で自分がマイナンバーカード発行時に設定したもの。3回連続して打ち間違えるとロックされるので気をつけたい。

▲図 マイナポータルAP「申請者情報の入力」マイナンバーカード読み取り画面キャプチャ ©Japan In-depth編集部

10 「申請者情報の入力」画面で、「氏名(漢字)、住所、性別、生年月日」が自動入力される。ブランクになっている氏名(フリガナ)、郵便番号などを入力、「次にすすむ」をクリック。

11 「申請情報の入力」画面で、給付対象者1として自分(世帯主)が表示されていることを確認し、給付対象者2以降に家族の名前を一人一人記入していく。給付金額合計は自動計算される。

12 同画面で、「受取口座情報」を入力する。(銀行とゆうちょ銀行の入力は別なので注意)

13 「入力内容の確認」画面を良く確認して、「次にすすむ」をクリック。

14 次が謎の「添付書類の登録」画面。何故か、「振り込み口座確認書類として、申請者名義の通帳やキャッシュカード、インターネットバンキングの画面等の写しまたは画像(口座番号、カナ氏名等がわかるもの)を添付しなければならない。本人なりすまし申請を防ぐ目的なのだろうか。ここまで来て筆者は申請手続きをいったん止め、スマホでキャッシュカードの写真を撮る羽目になった。

添付して「次へすすむ」をクリック。

15 「添付書類の確認」画面で、「申請1. 特別定額給付金 ※電子署名が必要です。」と表示がされると思うので、確認・同意事項を読んで、「以上を確認・同意し、次へ」ボタンをクリック。

16 「電子署名の付与」画面に移るので、マイナンバーカードを用意し、「電子署名を付与する」ボタンをクリック。

17 ここで英数字6~16桁の「署名用電子証明書のパスワード(暗証番号)」を入力する。(4桁の暗証番号とは別に設定したもの)

18 再び、マイナンバーカードを読み取り、電子証明書が付与されたら「情報を送信ボタン」をクリックして完了だ。

ここまでゆうに30分はかかっている。よくもまあ、こんなに面倒くさいシステムにしたもんだ。紙で申請した方が楽なのではないか、と思われるほどだ。そもそも8割超の国民がマイナンバーカードを持っていないわけだし、持っている人の内、パスワード(暗証番号)を覚えている人は更に少ないだろう。

マイナンバーカードを持っていない人の意見としてよく聞くのは「メリットが感じられない」だ。行政の効率化を謳うだけでは、国民を納得させることはできない。今回の申請一つとっても、利便性を実感できないのだ。

 

■ 国のマイナンバー普及推進計画

総務省はマイナンバーカード普及推進計画を以下のように描いている。(現在普及枚数約2000万枚(2020年3月末時点)

1  2020年7月末 消費活性化策   3000万〜4000万枚

2 2021年3月末 健康保険証利用の運用開始時 6000万〜7000万枚

3 2022年3月末 医療機関等のシステム改修 9000万〜1億枚

概成見込み時

4 2023年3月末 ほとんどの住民がカードを保有

 

2の健康保険証利用が進んでいることを知って驚いた人もいよう。しかしより目前に1のマイナポイント(注1)による消費活性化策が迫っている。これも前記事で紹介したが、「消費税率引上げに伴う需要平準化策として、東京オリンピック・パラリンピック後の消費を下支えする観点から 実施する。あわせて、キャッシュレス決済基盤の構築を図る」(総務省資料より)ものだ。

▲図 マイナポイント事業の概要 出典:総務省

筆者が問題視するのは、この制度が利用できるのは、マイナンバーカードを取得し、かつマイキーIDを設定した人のみということだ。

利用者がキャッシュレス決済サービス(交通系電子マネー、QRコード決済、クレジットカードなど)を1つ選択して、マイナポイントを申込み、当該決済サービスにおいて、「前払い」または「物品等の購入」を行った場合に、 マイナポイント(プレミアム分)を、当該決済サービスのポイント等として取得・当該決済サービスが利用可能な店舗等において、取得したポイント等を利用するという仕組みだ。

▲写真 キャッスレス決済(イメージ)出典:pixabay

既に令和2年度予算に約2500億円が計上されており、マイナポイントの予約者が予算の上限に達した場合には、予約を締め切る可能性がある、としている。総務省は約4000万人が対象としているが、現在約2000万人のマイナンバーカード保有者が一気に倍になるとは考えにくい。一部の人だけ恩恵を受ける不公平な施策だ。

マイナンバーカード普及政策は、国民置き去りのまま、政府の都合で動いているように見える。

 

注1)マイナポイント

マイナポイントは、キャッシュレス決済サービス(決済サービス)を提供するキャッシュレス決済事業者(決済事業者)を通じて付与します。付与を受けるにあたっては、マイキープラットフォーム上で普段利用している決済サービス(1つ)を選択(マイナポイントの申込)すると、当該決済サービスの利用(チャージまたは購入)時に買い物等に利用できるポイント等が付与されます。

マイナポイントは、これら決済事業者が付与するポイント等の総称です。(引用:総務省)

トップ画像:総務省