細川珠生(政治ジャーナリスト)

「細川珠生モーニングトーク」2021年1月16日放送

Japan In-depth編集部(油井彩姫)

【まとめ】

・緊急事態宣言、特措法は強制力と補償のセットで。

・国債を増やすことに抵抗感がなくなってきていることが懸念される。

・他の党が出せないような政策打ち出し、次期衆院選で50議席目指す。

今週のラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」では、参議院議員で日本維新の会の、松沢成文氏をゲストに迎え、政治ジャーナリストの細川珠生氏が今回の緊急事態宣言や、今年行われる衆議院選について話を聞いた。

■ 緊急事態宣言

はじめに、そもそも今回の緊急事態宣言を出すこと自体に意味はあったのか、細川氏が聞いた。

松沢氏は、感染者の拡大、重症者の急増という背景から、「政府として出さざるを得ないところにまで追い込まれてしまった」と述べた。さらに、「実は菅氏は緊急事態宣言を簡単に出したくはなかった」とし、その理由として、今年7月に開催を控える東京オリンピックを挙げた。

「オリンピックは、日本国として何がなんでもやり遂げたい。東京都も組織委員会もお金もかけて準備してきた。国は国立競技場まで作った。東京オリンピックを成功させ、次の総選挙に勝つというのが菅氏の政治日程に入っている。そのためには、日本の中で感染が広がり、緊急事態宣言が出て社会が完全におかしくなっていることを、絶対に世界に見せたくなかった」がゆえに、これまで緊急事態宣言は避けてきたと、松沢氏は背景について述べた。

しかし、状況は悪化している。そうした中、小池百合子東京都知事が「勝負に出た」と松沢氏はいう。

「小池氏は『緊急事態宣言は国がやるもの』と言い続けてきた。一方国は、『小池氏が時短要請に答えていないためにここまで(感染拡大が)膨れた』と(見ていた)。政治家同士の喧嘩が始まってしまった。結果、菅氏は出す方向で小池氏に追い込まれた」と述べた。

「一都三県の知事が4人で国にこれだけお願いしているのになぜ菅氏は聞いてくれないんだ、というパフォーマンスを作られてしまった。菅氏はこれでやらないと言ったら国民からバッシングを受けるので、やらざるを得なくなった」。

一方松沢氏は、この緊急事態宣言は、「内容や方向性が全く見えない」と批判する。「緊急事態宣言が1ヶ月間、2月7日に終わるとしたら、それまでに特措法の施行は間に合わない」。

国会で特措法改正をいの一番にやるとは言っても、今の緊急事態宣言を同時に強化することはできない。

「特措法を改正してそれを法律として施行するには一ヶ月半か二ヶ月かかる。でもやらないよりはマシ、やらなきゃいけない」。と述べ、特措法改正の必要性を強調した。

また、特措法の内容については、「強制力を持たせること(が必要)。時短要請を事業者にお願いし、守らない人には罰則を課す。今のままでは当然商売だから、時短要請に従っていたら店が潰れてしまうといって守らない居酒屋もかなりある。(特措法の施行で)そういうことは無くなる」と述べた。

さらに、「しかし強制力を働かせて営業の自由を奪うわけだから、休業補償をきちっとやる。この二点をやれるようにするのが特措法改正」と述べた。

▲写真 緊急事態宣言下、時短営業で店を閉める居酒屋 出典:Photo by Carl Court/Getty Images

給付金については、「前回緊急事態宣言をやった時に、十万円の給付金が出たため、緊急事態宣言とそれ(給付金)はセットだという見方をする人もいるが、財務省は反対する。ただ、日本は日銀が国債を買ってくれるから多少の借金をしても大丈夫、と借金をして金をどんどん配ることに対する抵抗感が政治家になくなってきていることが怖い」と述べ、国債を増やすことに抵抗がない政治家に警鐘を鳴らした。

それに対し、細川氏は、「全国に(緊急事態宣言が)出される事態になれば、給付金ということもあるのでは」と述べた。

一方松沢氏は、「前回の給付金はお金を出したわけだが、今回は、商品券等にする(考えもある)。期限を半年以内にし、生活に困る人は食料を買ってください、余裕がある人は外食に行ったり旅館に行ったりして事業者を助けてあげてください、と。(使ってもらえないと)やっても意味ない」とし、消費に確実に回るようなお金の使い方が必要との考えを示した。

▲写真 ⓒJapan In-depth編集部

■ 選挙

今年は衆議院選挙が行われる。日本維新の会としてはこの選挙をどう戦うのか。そしてどのように勢力拡大をし、国会で存在感を示していくのか、細川氏が聞いた。

松沢氏は、日本維新の会に所属する議員として、「『第三極』として、衆議院で30~40名、できれば50名の塊を持つ。現在11名だから3倍増だ」と目標を語った。そして、「そのために100人くらい候補者を立てなければいけない。私は南関東の担当者だから、千葉や神奈川で立候補してもらえる人がいるかどうか。第3勢力の政党で候補者を集めるのは至難の業だ」と述べた。

細川氏は、「政策が良ければ、与党でもなく第2勢力の野党でもない、別のものを求めている人は結構な数いるのではないか」と述べ、日本維新の会に期待感を示した。

それに対し松沢氏も、「自民党が言えない、立憲民主党も言いにくいような政策を言えるかどうか」がカギとなるとし、「経済政策においても、震災復興についても、あるいは社会保障についても。うちの党では、新しい政策、経済政策を出さない限り絶対に選挙で勝てないといって必死に考えている。日本維新の会は大阪の政党ではなく日本の第3極を担う政党になるというイメージを全国に持ってもらうには、大阪都構想のように、日本全体としてびっくりするような政策提示ができるかどうかにかかっている」と意気込みを示した。

細川氏は、医療の問題を例にとり、「これまで医師会が自民党の大きな支持団体となっていたため、医療改革に手がつけられてこなかったことで、医療崩壊にもつながっている」と述べた。そのうえで、「『自民党がやってきた政策を維新であれば(正すことが)できる』と主張することが、国民の判断基準として有効なのでは」と述べた。

松沢氏は、「我々のスローガンは、しがらみのない政治」と宣言し、「自民党は利権としがらみだらけになってしまっている」と述べた。

最後に細川氏は、「権力の座に長くいると、そういうことを導いてしまうのは仕方ない。だからこそ政権交代は必要」と改めて述べた。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2021年01月16日放送の要約です)

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分〜7時20分

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