Japan In-depth 編集部(元木満里奈)

【まとめ】

・27日からサンディエゴのビーチがアクティビティー目的に限り開放。

・ビーチ解放でウイルス感染者数が爆発しないか懸念する声も。

・ロックダウン反対デモも頻発。参加者の逮捕も。

 

カリフォルニア州サンディエゴでは4月27日からビーチがアクティビティー目的のみに限り開放された。サンディエゴの全てのビーチが該当するわけではないが、北サンディエゴのエンシニータスエリアを除き、比較的多くのビーチが解放された。

サーフィン、水泳、カヤック、ランニング、ウォーキング等が該当し、ビーチで座ったり立ち止まったりしない限り許可される。6フィートのソーシャルディスタンシングは保たなければならない。駐車場、桟橋、ボードウォークは人口密度が高くなり、人々の溜まり場になってしまう可能性があるので未だ解放されておらず。公園も先週から一足先にアクティビティー目的に限り解放されている。

これはビーチ解放の第一段階で、これが新型コロナウイルス拡散に大きく関係しなければ、第二段階で駐車場、桟橋、ボードウォーク等の公共の場所も解放される予定である。

そんな中、この第一段階を心待ちにしていたのがサンディエゴ中のサーファーたちだ。予想はしていたがサンディエゴでも人気のパシフィックビーチは新型コロナウイルスでロックダウン中とは思えないほどの人で海が埋め尽くされた。

▲写真 パシフィックビーチ(トゥーマリンビーチ)に集まるサーファー4/28 出典:筆者撮影

サーファーだけではない、夕方のゴールデンアワーにはビーチを歩く多くの人でここ数日賑わっている。正直今回のビーチ解放で新型ウイルスの感染者数が爆発的に伸びてしまわないか不安な人は私だけではないはずだ。

実際に、サンディエゴの少し北、オレンジカウンティーでは先週末のヒートウェーブでビーチに人が集まりすぎた為、カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム氏はカリフォルニアの全ビーチをクローズすると発表。しかし、サンディエゴカウンティーの理事会がサンディエゴのビーチは解放されてから住民はルールに従って行動している為、今回のカリフォルニア州全ビーチクローズ案を考えなおすよう手紙を出した。

その結果、問題となったオレンジカウンティーのみ5月1日よりビーチへの立ち入りが禁止されている。ビーチで体を動かして楽しむサンディエゴの住民を含め、今回の第一段階を無駄にしてはならない。

世界中が次々とロックダウンし、人との接触を避ける中、なぜサンディエゴのビーチは解放されたのか?新型コロナウイルスの感染者数が落ち着いて減ってきているわけでは決してないのだ。未だに日々患者の数が増え続けている。

大きな理由の一つにサンディエゴ、またはロサンゼルスで起こっているデモが関係している。ここ数週間でロックダウンに対するデモがサンディエゴで頻発しており、一番最近だと26日の日曜日にパシフィックビーチにて100人以上の人がマスクもせずに集まり、ロックダウンに対してデモを起こした。ダウンタウン、エンシニータスでもデモは起こっており、逮捕された住民も数名いると報道されている。

実際にダウンタウンで行われたデモ、“Freedom Rally” の主催者である27歳女性ナオミ・ソリア氏に対して逮捕状が降りる可能性が大いにあると今問題になっている。90日の牢獄そして1000ドルの罰金の軽罰の通知が彼女に届いた

▲写真 反ロックダウン活動家ナオミ・ソリア氏 出典:facebook @Naomi Israel

百人以上集まったこのデモで問題なのはデモを起こしたことではない。外出禁止令に従わず、大人数が6フィートの間隔を保たずに集まったことが罪に問われている。

しかしなぜソリア氏だけが罪に問われようとしているのか。このデモに集まったサンディエゴ住民全員ルールに反している。全員に同じ罰を与えるべきではないのかという声がネット上で上がっている。次の日に行われたエンシニータスでのデモでは3人が逮捕された。

先週末のパシフィックビーチでのデモでは誰かが逮捕されたという報道は出ていない。長期間の自宅待機を強いられていた反動で起こっているこのデモ。このまま小規模デモは起き続けるのだろうか。

さすが自由の国、アメリカならではの出来事である。今回の新型ウイルスによるロックダウンにより多くの収入を絶たれた自営業主や通常通り好きな時に好きな場所への外出が許されない人々のストレスは爆発したようだ。

中にはこの新型ウイルスは嘘だというパネルを持ってデモに参加していた人までいた。どこまで自由なのだろうか。いつまで続くかわからないこの状況で、多くのアメリカ人はいつかはこのウイルスと戦いつつも通常の日々を取り戻さなければならないと思い始めてきている気がする。

多くの人が集まるデモは決していいことではないが、ビーチと公園の解放により人々に心の余裕と体を動かせる喜びをもたらしたのは間違いない。レストランでテイクアウトのオーダーを待っていると、オーダーを取りに来たお客さんがハンドメイドの洗えるマスクをお店で働いている子たちに配ってあげたりと心が温まるシーンもちらほら見られる。悪いことばかりではないのは確かだ。

このまま新型コロナウイルスの感染者、そして死者数が落ち着く前にいろんな場所が解放されていくのか?今後一体米国はどう動くのだろうか。

トップ画像:カリフォルニア州オレンジカウンティハフィントンビーチで行われたロックダウン反対デモ 2020年4月17日 出典:ⒸJULIE LEOPO, Voice of OC