(大西 康之:ジャーナリスト)

 株主総会の集中開催日となった6月26日、暗号資産取引所大手のビットフライヤーを子会社に持つビットフライヤー・ホールディングスが「ハイブリッド参加型バーチャル株主総会」を開いた。議案について会社から説明を受けた株主たちが、自分たちのオフィスからスマホを使って投票した。

 インターネットを介した投票は、なりすましによる不正投票や投票結果の改竄が懸念されたが、ビットフライヤーは得意とするブロックチェーンの暗号化技術で議決権行使の書き換えを不可能にした。総務部の社員が身を呈して総会屋の議事妨害を阻止していた光景は今や昔。コロナ禍で働き方改革が進む企業で、また一つ「新しい日常」が始まった。

自社オフィスからZOOMで総会に参加する株主たち

 ビットフライヤーの本社は六本木の東京ミッドタウン、オフィス棟にある。地下鉄の駅からオフィスに向かう途中、地下道には「富士フイルム株主総会」と書いた看板を持つ若い女性社員が立っていた。株主が会場に足を運ぶ従来型の株主総会である。

 33階でエレベーターを降り会場に入ると、席に座っていたのは株主総会の議長を務める一守靖取締役と議事を進行する林秀樹執行役員の二人だけ。背後のスクリーンにはZOOMで総会に参加する4人の株主の画像が映し出されている。4人ともベンチャーキャピタルの担当者で、いずれも都内の自社オフィスからのリモート参加である。