未来の「性」はラブホテルを無料にするかもしれない

 テクノロジーの進化は、我々の生活を大きく変えている。しかし、誰にでもあるはずの「性」の問題に関しては、語られることが少ない。少子化といった社会的な問題が顕在化する中で、テクノロジーは性に対してどんな未来を提示するのか。現代の性問題の解決に取り組むホワイトハンズ代表、坂爪真吾氏が考察する。(JBpress)

(※)本稿は『未来のセックス年表 2019‐2050』(坂爪真吾著、SB新書)の一部を抜粋・再編集したものです。

新しい「性の公共」をつくる

 私はこの10年間、新しい「性の公共」をつくるNPOという立場から、障害者の性・高齢者の性・不倫・性教育・性風俗・売買春・JKビジネス・パパ活などの様々な社会課題の現場に足を踏み入れ、問題の分析と解決に取り組んできた。

 10年間、現場で動いてきたことで得られた知見をベースに、2019年から2050年までの約30年の間に、私たちの性に起こるであろう変化を描き出していく。

「未来の性」というテーマについては、意外にもこれまで公の場で議論されることは少なかった。性の分野においては、未来を語る以前の問題として、今私たちの性がどうなっており、どのような課題を抱えているのか、という現状自体が共有されていないことが多い。

 恋愛・結婚・妊娠・不倫・性暴力・性差別・性風俗・LGBT・・・いずれの分野においても、現状の理解が曖昧なまま、事実と伝聞情報の区別がつかないまま、SNSのタイムライン上で感情的かつ非生産的な議論が繰り返されていることも少なくない。

 性に関する議論をする場合、私たちはどうしても目の前にあるセンセーショナルな事件や負の感情を煽り立てる投稿に脊髄反射してしまい、貴重な感情と時間を浪費してしまいがちである。

 そうした中で、タイムライン上で展開されているリアルタイムの喧騒から一時的に目を離して、これから数十年先の未来、私たちの性がどのように変化するか(するべきか)について思考を巡らせてみることは、単なる空想以上の意義があるはずだ。

 言うまでもなく、未来に起こることを完璧に予知できる人は誰もいない。本書の内容も、決して神がかり的な「予言」ではない。現場での活動や取材、あるいは客観的なデータに基づく推論=「予測」に近い部分もあれば、新しい「性の公共」をつくることを目指している私自身の願望と主観の混じった「予想」にすぎない部分もある。

 ただ、どのような未来も、過去と現在の延長線上から生まれることは確かだ。未来に起こるであろう出来事は、過去と現在を丹念に調べれば、その萌芽を見つけ出すことができる。

 経営学者のP.F.ドラッカーは「すでに起こった未来は、体系的に見つけることができる」と述べている。

 来たるべき未来の社会で、私たちの生と性はどのように変わっていくのか。そして、どのように変えていくべきなのか。過去と現在を参照しながら体系的に、そして大胆に考えてみよう。


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