新聞テレビばかりか学術誌までフェイクニュースが席巻

 戦後西側の思想界、特にフランス現代思想の中で、ソ連型の社会主義を良しとしない左派は別の思考の柱を必要としていたと思います。

 第2次世界大戦、あの無残な戦争と、ホロコーストに代表される犯罪を二度と繰り返さないために、マルクス主義ではない指導理念をもって、現代社会を見直す思潮が求められた。

 そんな付託に応えた中に、「悲しき熱帯」を筆頭に、レヴィ=ストロースが展開した、人間社会を構造的に観察・分析する人類学のアプローチがありました。

 日本で考えるなら、ちょうど先週の連載に「渋谷のハロウィン」に関連して記した山口昌男さんなどが、構造人類学的な観点によるアフリカでのフィールドワークを切り口に、大きく活動を展開されたと思います。

 「構造主義」は、人間、社会集団の「構造」を検討します。

 例えば、渋谷のハロウィンに集まる人間集団の行動を構造的に見当する、非常に大まかに言うなら、例えば「日常的な価値体系なるもの」があるとして、それを「転倒する」という行動の位置づけを、二項対立的な図式(日常⇔非日常、中心⇔周縁、上位⇔下位 などなど)をグラフィックに表象する解析など含めて検討するアプローチがいろいろ可能です。

 また、これに対して

 「そんなに簡単なもんじゃねーよ」
 「安易に図式化しねーでくれよ」
 「いっしょくたにされたら めーわくなんだよ」

 という当事者の観点があり得ます。構造人類学的な現地調査では、文化人類学者はあくまで調査対象の外部に留まり、客観的な視点から構造的な図式を検討するでしょう。

 それと、実際に渋谷のハロゥインに、自分自身も仮装して中に入ってしまうことで「内側からの眺望」をリポートするのとは、全く違うことになる。

 暴徒を外から観察するのと、自分自身も暴徒と一緒に現場を走るのとでは、見えるもの、得られる情報、様々なことが全く違います。


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