サステナビリティなき東京オリンピックに世界が警鐘

古沢 確かに近年のオリンピックは、大会発祥の思想から乖離している現実があります。広告宣伝(スポンサー)など商業的な要素は年々強くなり、放映権の問題から開催時期を動かせないなど、経済イベントとしての色が濃くなっているのは事実でしょう。

 もともと、オリンピック発祥地ギリシャでのコンセプトは「競技者はギリシャ人の男性であれば出身や地位(身分)にこだわらない」というものでした。だからこそ、当時の大会は競技者が裸の姿で出場したのです。裸の理由は諸説ありますが、あらゆる背景やしがらみをなくし、1人の人間そのものとして戦い競い合うことに美を見いだしたのでしょう。

 そのような思想がほぼ無くなっているのが現在の状況なのですが、一方で、あらゆる国の人々が共に集い合う場としての価値は十分にあるはずです。そして、その場は、SDGsや持続可能性という「世界が共通で目指す目標」を確認するには貴重な機会となるのです。

 逆に言えば、開催国にとってオリンピックは世界に自国のサステナビリティ水準を示す機会ですし、海外の目が多数入ることで、自国の状況をきちんと認識するきっかけにもなります。

 場合によっては、世界に対して自国が後れを取っていることを痛切に感じるイベントになるかもしれません。

――となると、当然ながら2020年に向けて日本の姿勢が問われますよね。

古沢 そうなります。そして、この視点で日本の現状を見ると、憂慮すべき点が多々あると言わざるを得ません。代表的な例として、オリンピック施設の建設に使用されたコンクリート型枠合板に違法伐採木材が含まれているのではないか、との批判があります(環境NGO・熱帯林行動ネットワーク、本部サンフランシスコ)。使用する材への配慮を欠いていたということです。

 その点では、先述したエコラベルに関して、日本がガラパゴス化している面があります。つまり、世界が指標とするグローバルな基準から逸れて、日本はローカルな基準を重視してしまっているのです。


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