サステナビリティなき東京オリンピックに世界が警鐘

2020年をきっかけに、どこまで日本の水準を上げられるか

古沢 さらに、動物福祉(アニマルウェルフェア)においても日本は世界から後れを取っている現状があります。東京オリンピック・パラリンピックで調達される畜産の食材についても、すでに世界から警鐘が鳴らされている状況です。

 たとえば私たちに親しみのある「鶏卵」について、日本ではケージ飼いが問題なく行われていますが、海外ではすでにそれに配慮した基準が作られています。スイスでは1980年代にケージ飼いの禁止政策がとられ、ヨーロッパでも鶏が身動きできないほど狭いケージを禁止しています。

 加えて、ヨーロッパでは「採卵保護の最低基準」が設けられており、購入者には飼育方法が分かるようになっています。こういったアニマルウェルフェアの考えが浸透しているのです。これもサステナビリティを考慮した動きです。

 繰り返しますが、日本ではここまでの動きは起きていません。そのため、すでに東京オリンピックで畜産に関するアニマルウェルフェアを達成できるのか、疑問の声が海外から上がっているのです。

 象徴的な出来事として、こんなことがありました。オリンピックメダリスト9名が、東京2020大会組織委員会にアニマルウェルフェアのレベルが低下することへの懸念と、その改善(100%ケージフリーの鶏卵使用など)を求めた声明を出したのです。

――ここもやはり世界とは離れた日本の現状があるわけですね。

古沢 はい。日本の卵や豚といった畜産は、海外に輸出するケースがほぼありません。その結果、国内基準のみで来てしまった背景があります。それがガラパゴス化を生んだ要因の1つでしょう。

 ただし、こうした海外の声を契機に、日本でもようやくアニマルウェルフェアへの関心や動きが起きているという事実もあります。森林や海の資源についても、同じような流れが起きてほしいと思います。

――まさにオリンピックを契機として、SDGsやサステナビリティの水準を高める必要があると。


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