ゴーン氏が破壊、ブルームバーグ氏が作るもの

 「ペリ」は「周辺」の意、「オイコイ」は家計で、家計の統治すなわち「オイコ+ノモス」が今日で言う「エコノミー」の語源になっていることから、その意が何となく察せられると思います。

 スパルタのポリスを構成する市民=貴族の周辺にいて、通常の経済活動が認められながら、市民権はなく徴税で搾り取られる存在だった「ペリオイコイ」を家作奴隷などと訳する場合があるようです。

 カルロス・ゴーン氏の発言として伝えられる「国際的な視点」からの供述を見ていて、自然と「ペリオイコイ」の語が頭に浮かんできました。

ブルームバーグの未来像

 マイケル・ブルームバーグ氏がジョンズ・ホプキンス大学に寄付した資産は18億ドル、本稿執筆時点でのレート 約113.5円/ドルで計算すると、約2040億円ほどということになります。

 いま「億円」を外して考えると、ブルームバーグ氏がジョンズ・ホプキンス大に寄付した資産は「2000円」、カルロス・ゴーン氏が自分にはふさわしいと主張した年俸が「20円」。実際に取っていたのは「10円」で、結構な違いがあると分かります。

 多くの日本人の生涯賃金は1円の単位(億に手が届けばやっと1円)から外れませんから、比較にもならないのはよく分かります。

 私がここで言いたいのは、ブルームバーグ氏と比較すれば、ゴーン氏は十分小物だから・・・といった話ではありません。

 額の多寡ではなく、新自由主義の追い風のもと、偏在した富をどのような使途に用いるかという違い、そこに見える倫理、言ってみれば未来への責任感といったことを考えています。

 9.11後のニューヨークで市長も長らく務めたブルームバーグ氏は、ニューヨーク・タイムズに掲載した論説の中で、この寄付によってジョンズ・ホプキンス大学が未来永劫「ニードブラインド(need-blind)」の体制と取れるように考えたと述べています。

 ニードブラインドというのは、大学入試で学生の経済状況のいかんによらず、学力面だけのテストで合格したすべての学生に、必要に応じて授業料の免除や生活費の支援なども大学が行い、未来を支える人材を育てていくというシステムを指します。


関連記事

おすすめ情報

JBpressの他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

社会 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

社会 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る 動画一覧を見る

記事検索