遺伝子操作の双子誕生、誰も言わない問題の本質とは

政治家が決めたルールの影響を受けるのは若者

 繰り返すが、ゲノム編集を施した受精卵から子どもを作ることは、子どもへのリスクがあまりにも大きすぎる。

 学術団体の総意として、技術的・医学的・倫理的問題から「受精卵にゲノム編集を行って子どもを誕生させることは現状では無責任」という趣旨の声明が出ている。

 しかし、「現状では」という注意書きであり、永久的な禁止ではない。ゲノム編集技術の進歩に伴って継続的に議論するとしており、将来的な可能性を完全に捨てていない。

 なぜなら、技術的問題がある程度解消され、医学的必要性が認められるようになれば、社会が受け入れるかもしれないからだ。

 ヒト受精卵や精子、卵子へのゲノム編集にまつわる問題には、どのようなリスクがあり、そのリスクがどれくらい小さくなったときに何を受け入れるかどうか、すぐに答えられるものは少ない。

 しかし、一人ひとりがしっかり考えて周りの人と議論し、専門家がその声を国に届けるという、市民レベルから国レベルまで関係者が協働して連続的な議論をすることで、社会全体としての合意形成ができるだろう。

 第2回ヒトゲノム編集国際会議国際会議で賀氏が登壇した翌日、受精卵へのゲノム編集問題の一般向けアプローチについて、日本科学未来館(東京都)の取り組みが紹介された(アーカイブのSession 3の36:00から、筆者もいくつかの取り組みに協力した)。高校で実施したワークショップで、ある高校生から次のような感想が寄せられた。

「この問題を考えて、とても疲れた。でも、もし私たちが議論しなかったら、政治家がルールを決めてしまう。その影響を受けるのは政治家ではなく、私たちだ」

 この技術を使う可能性がある若い人たちにこそ、ぜひ議論に参加してほしい。そのための仕掛けを作ることが、最も大切なことだろう。

(島田 祥輔)


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