めちゃくちゃ遠い新天体! どんどん広がる太陽系

アルビオン〜どうやら冥王星程度の天体はうじゃうじゃいるようだ

 1992年8月30日(協定世界時)、ハワイ大学のディヴィッド・ジェウィット教授(1958-)(現カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授)とマサチューセッツ工科大学のジェイン・ルー博士(1963-)が、ハワイ大の2.2m反射望遠鏡を用いて、未知の小天体を検出しました。

 ここで使われたのは、CCDという新しい撮像素子です。

 CCDは感度が良く、位置分解能が高く、(それなりに工夫すれば)赤外線用にもX線用にもなります。そして一番の強みは、半導体素子であるために出力信号を即座にコンピューターに入力・処理できるという点です。その相性の良さは、まるでコンピューターが目を得たかのようです。

 間もなくCCDは天文学やその他の研究分野から写真を駆逐し、家庭用から業務用・軍事用まで、あらゆる現場で撮像技術の主流となります。電話や自動車やラジコンヘリや掃除機やレジスターなど、それまで撮像素子と組み合わせるなど考えられていなかった製品までCCDを搭載し、新たな用途と需要を生みだすことになるのは御存じのとおりです。

 名を「1992 QB1」、後に「アルビオン」と改名されたその小天体は、公転周期は289年、軌道の半径が44天文単位と、冥王星よりも遠くにあります。

 これは、初めて発見された「エッジワース=カイパー・ベルト天体」でした。

 エッジワース=カイパー・ベルトとは、海王星よりも遠くに広がる小天体の集団です。太陽から30〜55天文単位離れた空間に、無数の小天体が、なんだか帯状というか、円盤状というか、ぼやっとした群れをなして浮いているという説が、20世紀中頃に提案されていたのです。観測手段がない間はそれは単なる仮説だったのですが、1992年にとうとう最初の1個が検出され、その存在が実証されてしまったというわけです。

 そして次々とエッジワース=カイパー・ベルト天体が発見されるにつれ、どうやら冥王星は無数のエッジワース=カイパー・ベルト天体のひとつに過ぎないことが、次第にはっきりしてきました。


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