(勢古 浩爾:評論家、エッセイスト)

 世界にはいろいろなランキングがある。主なところでは「世界の幸福度ランキング」「世界の最も住みやすい都市ランキング」「世界企業ランキング」「世界大学ランキング」などがあり、結果が年に1回発表される。発表元はたいがい一団体か一雑誌か一機関だったりするが、発表されれば、マスコミがその順位にどんな意義があるのかも考えずに報道する。

「原子力科学者会報」が、2019年の世界の終末時計は地球滅亡まで「過去最短の100秒」になったと発表したが、これにも毎年挨拶の仕方がわからない。人類に対する警鐘だよというのだろうが、そうですか、というしかない。

 そんななかのひとつに「男女平等ランキング」なるものがある。世界経済フォーラム(WEF、本部スイス・ジュネーブ)が昨年末、2019年度の「ジェンダー・ギャップ指数」を発表した。これがいわゆる「男女平等ランキング」だが、日本の総合順位は対象になっている153カ国中、なんと121位である。前年の110位からさらに落ち込み、過去最低の順位となったという。先進主要国首脳会議参加国(G7)のなかでも断トツの最低だ。

政治・経済分野の低さが原因

 それがどうした? という気がしないではない。このランキングはだれが頼んだわけでもないのに勝手に発表され、しかもどこまで正確に男女平等の実態を表しているかが不明だからである。

 というのもこの順位は、経済5項目、教育4項目、健康2項目、政治3項目の、合計わずか14項目の数字だけで算出・決定されているからである。だから日本は、共産党独裁の大国(106位)やカースト制度の国(112位)よりも下位にいるというザマになってしまう。日本の下にいる国は、クウェート、イラン、イラク、サウジアラビアなどで、どちらかというと日本はこれらの国と同類なのである。

 しかし、たかが数字とはいえ、これはいくらなんでも褒められた話ではない。そもそも100位以下の下位に沈んでいるのは、政治の「国会議員の男女比」135位、「閣僚の男女比」139位が最大の原因となっている。経済分野でも「推定勤労所得の男女比」が108位、「管理的職業従事者の男女比」は131位である。ちなみにいえば、アイスランドが1位、ノルウェーが2位、フィンランドが3位。そのほかドイツ10位、フランス15位、イギリス21位、アメリカ53位、韓国108位となっている。

本気で変える気がないから

 たった14項目の男女比においても、日本の後進性はあきらかである。国としても国民としても、無視できる数字ではなく、素直に恥じるべき数字である。ところが政治は蛙の面に小便で、なんにも感じていない様子である。そのくせいまだに日本は大国だ、世界でも民度が高い国民だという迷妄のなかにいるのである。