(政策コンサルタント:原 英史)

 PCR検査を巡る混乱が収まらない。

・検査を受けようとしてもなかなか受けられない。
・海外と比較して、日本は検査を極端に抑えていて、検査数が少ない。
・だから、隠れた感染が広がっている可能性も高いのでないか。

 こうした疑念と不安は、フェイクニュースの温床になる。一例が、「東京の陽性率は40%近い」だ。「感染爆発のニューヨークですら陽性率は20%程度。検査数が少ないために、東京は異常な数値に達している。これから感染爆発の恐れもある」といったストーリーで、マスコミやSNSで広まっているが、「40%近い」はフェイクニュースだ。

分母と分子、数字の取り方に大きな違い

 フェイクニュースと呼ぶのは、広めている人たちにやや気の毒かもしれない。この数値は、厚生労働省ホームページで公開されているからだ。だが、ホームページをよく見れば、分母の検査人数は「保険適用分を含まない」との注記がある。

(参考:厚生労働省資料)新型コロナウイルス陽性者数(チャーター便帰国者を除く)とPCR検査 実施人数(都道府県別)【1/15〜4/19】
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000623123.pdf
(5月5日時点で同資料の最新版はこちら)
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000627218.pdf

 分子は感染者全体だから、過大な数値が算出されているのは明らかだ。もちろん、注記を見落とした人たち以上に、こんなフェイクデータを公開している厚労省の責任が大きい。さらに遡れば、データを十分公開していない東京都も悪いのだが、ともかく、不安を助長するフェイクニュースは広がりやすい。