今回の場合、問題を起こした受験生は49歳の男性で、18歳や19歳のティーンエイジャーではありませんでした。
さらに、問題が拡大した後、スマートフォンを取り出して試験官を撮影したり、音楽をかけたり、わざと咳をするなど大暴れしたうえ、最終的に夜10時まで大学内のトイレに立てこもりました。
大学当局は、やむにやまれず警察を呼び、「建造物不退去」の容疑で逮捕されるという刑事事件になっています。
つまり、入試対応のマニュアルで通常想定されている事態を大きく逸脱した状況が発生していたことは間違いありません。
また、ある時点以降、今回入試で相当上の方の判断水準まで、現在進行形で情報が共有され、トップレベルの苦渋の決断があったことが、分かる人には如実に分かります。
世の中のマスコミですら、そうしたことに配慮のある記事は確認できず、いわんやネット上の書き込みは、ただただ問題外の落書きに終始しているというのが、率直に思うところです。
以下では、出来事をタイムラインに添って確認してみましょう。
タイトな試験スケジュール
言うまでもないですが、試験会場スタッフは、受験生に最良のコンディションでテストを受けてもらうべく、ベストを尽くします。
「平等」であることは重要ですが、それが「悪平等」になってしまっては元も子もない。
学生が、本来持っている実力をフルに発揮してテストに解答できるよう、環境を整えます。
入試に関することは多くが守秘ですので具体的なことは何も書けませんが、私も四半世紀東京大学に在職してそれなりに入試にも動員され、常に思うのはこの一点です。