プーチンの言う通り? 軍事的主権を持たない日本

 しかし、辺野古に予定されている1200メートル滑走路の場合、理論的には離着陸可能な固定翼機がないわけではないが、安全性確保という観点からは、実際には戦闘機や輸送機などの固定翼機の運用はできない。そのため辺野古航空基地は、現実にはヘリコプターとMV-22オスプレイだけを運用するための大型ヘリポートという位置付けに過ぎなくなる。

 したがって、海兵隊航空基地が普天間から辺野古に移ることは運用可能な航空機が減少することを意味し、常に地上戦闘部隊と航空戦闘部隊が両輪となって作戦行動を行うアメリカ海兵隊にとっては、大幅に作戦能力を削がれることになるのだ(MAGTF、本コラム「海兵隊の沖縄駐留に米軍関係者の間でも賛否両論」2018年10月11日、拙著『海兵隊とオスプレイ』参照)。

日本はやはり「アメリカの属国」なのか?

 もっとも一般常識的に考えても、保有する航空戦力が低下することによって、沖縄の海兵隊の戦力が低下するということは容易に想像がつくところである。

 それにもかかわらず、安倍政権は口をひらけば「普天間基地を辺野古へ移設することにより抑止力が維持される」と説明している。日本政府は“抑止力を維持するために”海兵隊の戦力を削ぐことが確実な、そしてアメリカ国防戦略においてもさしたる重要性を持たない、辺野古沖滑走路の建設を強行しようとするのであろうか?

 おそらく日本政府は、いくら超高額兵器をアメリカから気前よく購入しているからといっても普天間移設問題を解決しないとアメリカ側の逆鱗に触れてしまい、日本政府が頼りきっている日米同盟が破綻してしまうのではないかと考えているにちがいない。これでは、国防に関する主権を制限されていなくとも、プーチン大統領が指摘するように、日本はアメリカの属国状態であることに変わりはない。

(北村 淳)


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