ようやく対中防衛策の第一歩を踏み出した防衛省

中国海軍など「張子の虎」!?

 このような米軍関係者たちの中国海洋戦力に対する認識の変化が日本国防当局が伝染したのかどうかは定かでないが、スタンドオフASMの開発という方針は、もはや現在の自衛隊海洋戦力では中国海洋戦力に対応しきれないと判断したからに他ならない。

 もっとも、中国の隣国である日本では、アメリカ以上に中国海洋戦力を「見かけ倒しの虚仮威し」とみなす、というよりはみなしたがる傾向が強い。そのような感情は、軍事音痴の多くの政治家たちや国民の間に幅広く浸透してしまっているようである。

 そのため、中国軍の新鋭艦艇や新鋭航空機をはじめとする各種装備は「アメリカの兵器の猿真似で、外観はそれらしいが、中身は空っぽのようなもので恐るるに足りない」「いくら中国が多数の戦闘機や軍艦を作り出しても稼働率が低い上、将兵の練度も低い。練度も高く稼働率も高い自衛隊の相手ではない」といった論調がまことしやかに語られ、拍手喝采されている。

 しかし、すでに中国海洋戦力の脅威を真剣に直視し出した米軍関係者やシンクタンクなどでは、「中国軍艦や中国軍用機の稼働率」あるいは「中国軍将兵の練度」などが話題に上がることは皆無に近い。

 かつて日本と戦った際、「猿真似の日本軍戦闘機などまともに飛べるのか」とバカにしていたマッカーサーの米フィリピン防衛軍は日本軍に完膚なきまでに叩きのめされ、米軍史上最大の敗北を喫した。このような歴史の教訓をもとに、米軍では敵の稼働率や練度などは米軍と同等と考えているのだ。

それでも「攻撃兵器」などと言っていられるのか

 スタンドオフASMの開発に踏み切る日本国防当局の方針に対して、おそらく日本では、またぞろ長距離ミサイルなどは「周辺諸国に脅威を与える」「専守防衛に合致しない攻撃的兵器だ」といった批判が向けられるであろう。


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