「対米共闘」で手を取り合う習近平と金正恩の腹の内

4回目の中国訪問のため北朝鮮の平壌駅を出発する金正恩朝鮮労働党委員長(右)と李雪主夫人(左)。朝鮮中央通信配信(2019年1月7日撮影、8日公開)。(c)AFP PHOTO/KCNA VIA KNS〔AFPBB News〕

(福島 香織:ジャーナリスト)

 米中貿易戦争をめぐる米中通商協議(次官級)が行われている北京に、北朝鮮指導者の金正恩が習近平の招待に応じる形でやってきた。昨年(2018年)3月の初訪中から1年もたたないうちに4回目の訪中。しかも自分の35歳の誕生日である1月8日を含む3日間を北京で過ごしたわけだ。米中通商協議については進展があったとだけ報じられているが、この“進展”に金正恩が何か役割を果たしているのだろうか。そして米朝首脳会談を控えている金正恩にはどんな見返りがあるというのか。金正恩4回目の訪中の意味を考えてみたい。

友好協力を誓った習近平と金正恩

 金正恩は特別列車でやってきて1月7日から9日まで北京に滞在、帰国後の10日、北朝鮮当局が習近平の直接の招待を受けて北京を訪問していたことを発表した。おりしもほぼ同じ日程で、北京では米中通商協議次官級協議が行われていた。ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、通商協議では知財権問題や中国の国有企業に対する補助金問題などでは双方の立場に隔たりは大きいものの、一定の進展を経て、閣僚級会議を開催することはできそうだという。

 習近平は金正恩の誕生日の8日に、首脳会談を行い、金正恩の求めに応じて、時機をみた北朝鮮訪問の意志を伝え、その後4時間以上の晩餐会・芸術鑑賞につきあい、翌日はランチまで夫人同伴で一緒にとって、もてなした。この一連の行事は、金正恩にとって最高の誕生日プレゼントであった、と中国で報じられた。

 新華社によれば、習近平と金正恩は、中朝関係のさらなる発展に共に努力すること、半島問題の政治的解決プロセスを持続して推進していくことで一致。習近平は、金正恩の半島の非核化のための積極的取り組みを評価し、中朝がともに努力した結果、半島問題の政治的解決プロセスに重大な進展があった、とした。目下、半島の平和対話の大勢はすでに形成されており、協議を続けて結果を出せば、それは国際社会の普遍的な期待と共通認識となり、半島を政治的に解決し、得難い歴史的チャンスを作る、との考えを示したとか。その上で、中国はずっと北朝鮮が半島の非核化方針を継続していることを支持し、南北関係の持続的改善を支持し、米朝首脳会談が成果を得られることを支持し、それぞれが対話によって各自の関心事を解決できることを支持している、と語った。さらに、金正恩とともに、中朝のハイレベル交流を維持し、戦略的コミュニケーションを強化し、友好協力を深め、中朝関係の長期的健康的安定的発展を推進していきたい、と語った。


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