7月に入り、東京でも朝夕の交通機関やオフィス街ではマスクをつけた多くの人々が行きかうようになった。

 筆者は今年の2月末以来、モスクワを訪問していないのだが、筆者の周りのベンチャー企業や金融関係者の多くはいまだに在宅勤務を行っている。

 にもかかわらず、現地在住者の話を聞くと街中の部分解禁されたカフェやレストランでは、思いのほか早いテンポで平常を取り戻しつつあるという。

 ロシアは7月1日現在、米国、ブラジルに次ぐ世界3位の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者数を記録している。

 ロシア政府は3月末からモスクワをはじめとする大都市で厳格な自宅隔離を実施、ビジネス活動はほぼ2か月停止状態にあった。

 6月に入り経済活動は段階的に再開されているが、3〜4月の原油価格急落の影響もあって国内経済は大きな影響を受けている。

 では、ロシア経済は一体、どれくらい痛手を負っているのだろうか?

 結論から申し上げると、読者が期待するほどにはダメージを受けているわけではない。

 この危機に乗じてロシアの石油会社を安値で買収できないか(法律の問題は別として)、ましてや領土の一部を返してもらおうというのはおよそあり得ない状況である。

 コロナ危機の最中での6月24日の対独戦勝75周年記念日パレード、7月1日の憲法改正国民投票と政治的にはネタに事欠かないロシアであるが、ここでは純粋にロシアのマクロ経済状況を考えてみたい。