(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)

 朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が衝撃的に世を去った。まさに雲隠れだ。

 7月9日の朝に失踪し、翌10日に遺体となって発見されたが、他殺らしいところは見当たらず、世間では自殺と推定されている。報道では、失踪の前日、元秘書Aさんからセクハラで警察に訴えられて、それを苦にしてのことだったと伝えられている。

 朴市長は「抱いてほしい」と話したり、「ふーってしてあげよう」と切り出して、Aさんの膝に唇をつけたという。セクハラは4年間にわたり、身体的接触が続いたほか、メッセンジャーで個人的な写真や淫乱な言葉を繰り返し送っていた。また、Aさんのほかにもセクハラの被害者は複数いたとの証言もあり、今まで告発を控えてきたのは、朴市長を恐れていたからだと報じられている。

 Aさんは告訴に踏み切った。その際に、朴市長との対話の詳細な内容も証拠として提出。警察はその内容に深刻性があると判断し、捜査に乗り出そうとしていた。一方で、この事態は直ちに朴市長の耳に入り、同日夜、側近たちと対策会議を開き、その席で市長職の辞職について議論していた。