それでもなお二階氏の数少ない日本の対中政策に関する言葉から、なぜ同氏が親中なのかを探ってみた。

「先人の努力」は何をもたらしたのか

 最も直近のわかりやすい実例は、習近平国家主席を日本の国賓として招くかどうかの議論であろう。

 安倍政権は招請の決定を一度下したが、国民の強い批判を受けて、自民党内の多数派といえる議員たちが外交部会などを通じて招請に抗議した。

 自民党内の7月6日の会合では、多数派が習主席国賓招請に明確な「中止」を求めた。それに対して二階派の河村建夫議員ら計5人ほどが、二階氏の意向に基づいて招請賛成の意見を述べたという。その際、二階氏の側近らが二階氏の言葉として引用したのが「(国賓招請の中止は)日中関係を築いてきた先人の努力を水泡に帰す」という表現だった。

 つまり二階氏は、習主席の国賓来訪の中止は、これまで築き上げた日中関係を壊すからよくないと考え、「先人の努力」を無駄にしないために習主席国賓来訪を実現させよ、と主張するのだ。であれば二階氏は、現在の日中関係はきわめて好ましい状態と認識しているということになる。

 だが、その認識は間違っている。日本側の「先人の努力」でもたらされた現在の日中関係は決して好ましい状態ではないからだ。中国側の日本に対する政策や姿勢の結果、形成された現在の日中関係は、日本にとって明らかに有害な面が多い。