次期大統領の有力候補だった朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長のセクハラ疑惑と自殺事件が国民に大きな衝撃を与えている韓国で、3年前に韓国の外交官が犯したセクハラ事件が外交問題にまで発展している。

 7月28日、韓国の大統領府は、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領とジャシンダ・アーダーン・ニュージーランド首相との電話会談が行われたと発表した。大統領府によると、この日の主な議題はWTO事務総長選挙とコロナへの対応に関する両国間の協力事項だった。文大統領はアーダーン首相にWTO事務総長に出馬した柳明桓(ユ・ミョンヒ)氏に対する支持を要請し、アーダーン首相は「貿易を重視する国であるニュージーランドはWTO事務総長選出に関心が高い」、「柳氏が非常に優れた資質を備えたと聞いており、関心を持って見守っている」と答えた。コロナ・ワクチン開発および生産、公正な供給などコロナ対応にも協力することも論議されたそうだ。大統領府は、全体的にアーダーン首相の発言は「徳談(幸運と成功を祈る話)ばかりだった」と自評した。

 しかし、実はこの日の電話会談は、「徳談ばかり」とは言い難い、“深刻な”議題が含まれていた。3年前、駐ニュージーランド韓国大使館で発生した韓国外交官のセクハラ事件について、ニュージーランド側から問題提起があったのだ。韓国の大統領府では「両首脳が韓国外交官のセクハラ疑惑についても意見を交わした」と簡単に言及しただけだったが、ニュージーランドの現地メディアはこの問題について特筆大書し、韓国政府の非協力的な態度を非難する事態となった。

現地の男性職員にセクハラ

 2017年12月、駐ニュージーランド韓国大使館に勤務するニュージーランド人男性が、A公使参事官からセクハラを受けたと問題を提起した。A氏が尻や胸などに不適切に接触してきたという内容だった。被害者はA氏に問題を提起したが、その後も大使館のエレベーターの中でA氏に股間などを触られたと主張した。

 韓国外交部によると、A氏は接触した事実は認めながらもセクハラの意図はなかった、と否認したという。だが、韓国外交部はA氏を2018年2月にフィリピン大使館に異動させた。

 その後、2018年10月に外交部がニュージーランド大使館に対する定期監査を行った際、被害者がA氏によるセクハラ事件を再び問題提起。外交部は再調査後、2019年2月にA氏に対して「1カ月減給」のペナルティを課した。