当時の覇権国である英国は南アフリカでのボーア戦争に忙殺され、アジアではロシアの南下に苦慮していたこともあり、義和団事件での日本の活躍と犠牲的精神を英国は高く評価し、同盟の相手国にふさわしいと認めたのだった。

 日本では伊藤博文をはじめとする親露派との間で論争があったが日英同盟に踏み切り、日露戦争や第1次世界大戦の戦勝国となる躍進につながった。

 その後、覇権国を目指す米国の介入で日英同盟が解除され、大陸国ドイツとの三国同盟やロシアとの中立条約で敗戦と北方領土の不法占拠に見舞われた。

 そして平和回復後の日米同盟で今日の繁栄と平和がもたらされた。

 このように、日本の安全は海洋国と連携した時には保証され、大陸国に接近した時に損なわれたというのが歴史の教訓である。

 今は価値観を異にする中国の台頭が著しく、西太平洋以西の覇権を握ろうと画策している。日本は隣国である中国とは共存共栄を期待するが、その傘下に入り全体主義国家の統制に服するわけにはいかない。

 そう考えると、日本の選択肢はおのずと価値観を共有する西欧型諸国との連携となり、その有力国の誘いに乗らない手はないであろう。

運河を制した国の躍進

 ファイブ・アイズは米英加豪・ニュージーランドの英語圏5か国の諜報に関する協定である。

 UKUSA協定(United Kingdom – United States of America Agreement)と呼ばれるように、アメリカ合衆国の国家安全保障局(NSA)と英国の政府通信本部(GCHQ)に加・豪・ニュージーランドの諜報機関が加わり、世界中に張り巡らせたシギントの設備や盗聴情報を、相互にまた共同で利用するもので、コンピューター・ネットワークはエシュロンの名で知られている。

 この協定は「合衆国、英連邦、大英帝国を除くすべての国」の「政府、陸海空軍、派閥、政党、省庁、政府機関、部局、代理・自称代理の1人または複数の人間」が行うすべての通信を対象とし、「軍事、政治、経済的価値を持つ国外の通信」も含まれると規定している。

 また、外国の通信に関する「通信量の測定、通信文書と機器の取得、通信量の分析、暗号解析、暗号解読と翻訳、通信組織・実務・手続き・機器に関する情報の取得」などの業務の成果や「方法と技術」情報の交換を行うとしている。

 その後に幾分かの改正がなされているが、日本は当然監視される側にあったということである。