ファイブ・アイズの対象と兵器や弾道ミサイルなどの軍事情報といった違いはあるが、世界に情報網を展開するファイブ・アイズを活用できるメリットは大きい。

 第1は自由民主主義を基調とし、人権や法の支配といった価値観を守り抜く諸国との団結という意思決定であり、第2には日本が遅れているスパイ防止法などの整備の促進である。

 国際社会は日常が情報戦であり、情報を取られることは、国益を棄損し、安全の弱体化をもたらす危険性を有する。

 戦後の日本は安全を米国に依存してきたことから、情報の重要性を認識できないままで、スパイを放置してきた。

 日本からの情報漏洩で、日米同盟の信頼性が低下したこともある。

 いまこそ、情報は戦争防止に役立ち、不幸にして戦端が開かれた場合は戦争の勝敗を左右するキーとさえなり得るものであることを認識する必要がある。

スパイ防止法などを整備する好機

 中国の姿勢は真の友好とは疎遠で、TPOで容易に変化する。

 習近平主席が国賓来日を予定していた時は尖閣諸島への侵入を控えていたが、延期が決まった後の4月14日以来連続侵入記録を更新した。

 しかも、海警局の巡視船にはミサイル艇が同行し、フリゲート艦や地対艦ミサイル部隊も連動していることが判明した(「産経新聞」令和2年8月2日報道)。

 日本が真っ当な国であったならば、拉致を阻止できたであろうし、拉致被害が明確になった段階で取り返す意思表示と行動を起こしたに違いない。

 それを妨げてきた多くの要因を列挙できるが、根底には北朝鮮のスパイの暗躍を放置した一語に尽きるであろう。

 世界の覇権国を目指す中国が世界中から情報を窃盗し、経済発展と軍事力増強を行ってきたことが明確になっている。

 その最大の被害国が米国であるが、その米国は中国の意図を見誤ったことを告白して体制の改変に乗り出している。