コロナ感染者の急増で休校処置や急遽浮上した秋入学などの問題解決に追われ、大臣も文科省もそれどころではなかったが、コロナによる重傷化傾向や死亡者などは一時のパニック状態から解放され、ほとんどが平常に近づきつつある。

 騒いでいるのは視聴率稼ぎに精を出すテレビ(テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショ―」など)だけである。

 こうしたことから、いよいよILCの誘致決定が待たれる。

 学術会議は1950年の総会(約200人)で軍事研究に否定的な声明を発表して以来、67年総会でも先の声明を踏襲するとした。

 しかし、エレクトロニクスに支えられたIT技術の進歩は著しく、国家の安全はIT技術を主体とする情報・指揮通信で帰趨を決するようになってきた。

 民生技術が兵器に利用され、両用技術は戦争や安全保障で重要な役割を果たすようになってきた。

 そこで、学術会議においても軍事研究を一概に否定できないのではないかという異論が出るようになり、2017年の総会は紛糾を懸念したのか、総会前の幹事会(12人)で〝2回の声明を継承する″とした。

 宇宙、サイバー、電子戦が帰趨を決する状況になりつつある今日では、一律の軍事研究排除では国民生活をはじめ、産官学の静謐な研究さえも保証されがたい。

 学術会議は大学や研究機関の環境だけではなく、国家の安全保障、抑止力としての軍事力の維持についても十分な思考を巡らす必要がある。

 ILCの誘致についても、建設費や運営費などだけでなく、より視点を広げた日本の安全を視野に収めた検討が求められた。

 あとは文科大臣の高い視野に立つ決定あるのみである。