(PanAsiaNews:大塚 智彦)

 インドネシアで河川の汚染が深刻化している。

 インドネシアでは河川の水はよほどの山間部でない限り、現在ではさすがに直接飲用にはしない。ただ、水浴び、洗濯、家畜の飲料、下水道水、工業用水など流域の住民の生活に不可欠となっている。その一方でゴミ捨て、汚水投棄、そしてトイレ代わりに使われることも多い。その汚染が、流域住民の生活に甚大なダメージを与えるほどになっているのだ。

 汚れた川の象徴となってしまっているのが、インドネシア・ジャワ島中部をほぼ南北に流れる、ジャワ島最大の河川「ソロ川」だ。

 ソロ川は日本でも、「ブンガワン・ソロ」(ブンガワンはインドネシア語で大河)として池部良主演の映画、そして愛唱歌として日本ではなじみが深い。「清き流れに今日も祈らん」「聖なる河よ我が心の母」と歌われたジャワ島を象徴する河川が、近年は汚染が深刻化している。

 汚染の主要な原因は、流域約450キロの沿岸に点在する各種工場からの汚染物質投棄と住民らによるゴミの投棄だ。工場からの産廃投棄はその大半が無許可のものだと指摘されている。

 9月19日、インドネシアの主要週刊誌『テンポ』は、「汚れた川、ソロ川」という記事を掲載した。『テンポ』は報道の中で、4月から10月ごろにかけての乾期で水資源が枯渇しつつある中で、流域住民が生活水資源として利用するソロ川の水が茶色く濁り、悪臭を放ち、生活用水としての利用が難しくなっている現状を明らかにした。

水質汚染による健康被害も報告

 ジャワ島最長の河川であるソロ川は、ソロ地方にある水資源開発会社が採取した水を周辺の住民約1万6000人が生活用水として利用している。さらに流域の21市町村が、ソロ川を水資源としてなんらかの形で活用しているという。

 だが前述のように、最近その水質が極端に悪化し、生活用水としての使用に耐えない状態になってしまっており、代替水源の確保が急務となっているという。