新型コロナウイルス感染リスクと常に隣合わせで、営業を続けざるを得ない飲食業。従来通りの店舗運営が難しいなか、新たにテイクアウトサービスを始めたり、逆にイートインを中止したり、営業時間を短縮したりと知恵を絞っている。

ただ「前線」に立つ従業員たちからは悲痛な声が上がっている。J-CASTトレンドは東京都内のファストフード店に勤務する女性を取材した。

マスク着用しない客は店員も「非常に不安」

「レジでクレジットカード払いをした利用客にカードを返したら、除菌シートでつまんで受け取られました」

利用者の「心ない行動」に胸を痛めているこの女性は、さらに本人や同僚の体験談を続けた。

「一番びっくりしたのは、ドライブスルー利用客が窓を開けずに注文してきた時です。声が聞こえず、代金も受け取れないと伝えると、渋々2センチだけ開けてくれましたが、さすがに商品をお届けできません。最終的にどうにか渡せましたが...」

女性は勤務中マスクを着用し、レジを触った後、客に一人対応した後など、こまめに手指を消毒するなど感染予防を徹底している。それなのに、利用客に「汚いもの」を見るような目を向けられることが度々あると語る。平日も土日並の混雑が続き、人手が足りず精神的にもギリギリの状態だ。「できれば店に出たくない」とこぼす従業員もいるという。

「上司は休みなく働いていて、倒れてしまいそうです。それなのに私たちには『どうしてもつらかったら休んでいいからね』と言ってくれます。毎日不特定多数の人と接しているので『コロナになるかも、もしかしたらもうなっているかも』という不安はありますが、上司の力になりたい、利用客に喜んでほしいという気持ちで何とか店に立っています」

そのうえで女性は「マスクをつけていない利用客が多く見られる。対応する側としても非常に不安なので、着用してほしい」と訴える。マスクが品薄で、販売されても高額のため無理してでも買ってとは言えないが、「手作りしたり、身近な物で鼻や口元を覆ったりするだけでもいい。相手にうつさないよう、思いやりのある行動をお願いしたい」と話した。

感染リスクから従業員守る6項目

利用客には良識ある行動を望むしかない。一方で、職場である飲食店やその運営企業側でも、従業員の感染リスクを下げる工夫ができるだろう。外食チェーンの業界団体・日本フードサービス協会は公式サイトに「外食産業のための新型コロナウイルス感染症対策」情報をまとめている。同協会に取材すると、担当者が6つのポイントを紹介してくれた。

(1)検温する
(2)こまめな手洗い
(3)マスクの着用
(4)店舗消毒
(5)レジガードの設置
(6)オペレーションの変更

(6)はこんな方法が考えられる。(a)お金の受け渡しは直接せず、トレーを介して行う、(b)ドリンクバーやサラダバーなどのサービス、自由に砂糖やミルクを取って使えるトッピングコーナーを廃止し、必要な分量を店員が取って届ける、(c)グラスやマグカップを使い捨て容器にする、などだ。