落雷で、少なくとも107人が死亡――。仏AFP通信(日本語版)が2020年6月26日、インド北部と東部の複数の地域で起こった出来事として伝えた。

ツイッターには「これ大丈夫なのかな?」、「100人以上も死ぬ落雷ってどんなのだよ!」と驚きや恐怖の声が上がっている。日本では夏にかけて、大気の状態が不安定となり落雷が頻発するだけに、心配だ。

1960〜73年は年間に20人が死亡

科学技術振興機構(JST)が運営する「J-STAGE」に掲載されているいくつかの論文に、過去の落雷による年間死亡者数の傾向がまとめられている。

・小型落雷実験装置の開発と中学校における避雷教育への応用
「警察白書によると1960-1973年は落雷による年間死数は20人を超えているが 1990-2003年には平均4.1人と大きく減少しており(中略)2010年以降は落雷による死傷者数は警察白書の調査項目から外されている」
・雷情報・雷予測の現状について
「2000〜2009年の間で、落雷による死者数は平均で3.0人/年、負傷者数の平均は11.8人/年となっている」

ここ10年の落雷による死傷者数データは見つからないが、「2013年〜2019年の地域別落雷数」をまとめているサイトがある。雷の観測や情報提供などを行う気象会社フランクリン・ジャパン(神奈川県相模原市)の「雷(らい)ぶらり」だ。これによると、2019年における北海道、東北、関東甲信など9つの地域の落雷の概算数を合計すると約54万回にのぼる。同年の月別落雷数をみると8月が突出して多く、ひと月で80万回に届きそうな勢いだ。6月と7月、9月も40万〜60万回と高い数値で推移している。

「電気の通しやすさとは無関係に」落ちる

落雷による死傷者数が減ってはいるが、警戒は必要だ。では落雷の人体への影響について主に(1)心肺停止、(2)火傷、(3)意識障害、(4)鼓膜穿孔(こまくせんこう)、の4症状を紹介している。特に(4)は電流の直接作用だけでなく、間接的な爆風または熱傷などが原因として挙げられており、必ずしも「雷が直撃しなければ大丈夫」というわけではないようだ。

「雷(らい)ぶらり」では、落雷からどう身を守ればよいか。屋内の場合は「基本的に安全」と説明があるが、電気器具や壁・柱などから1メートル以上離れると安心だ。また水道管や排水管などを伝わって雷の高電圧が侵入してくる恐れがあるため、落雷時の入浴は避ける。

屋外にいる時は「安全な建物や乗り物の内部に避難」するのが基本。難しい場合は、高い場所からは移動し、木の付近は避けたうえで「耳をふさぎ、足を閉じてしゃがむ」のが望ましい。その根拠として雷に「電気の通しやすさとは無関係に地面からの突出物に目がけて落ちる」性質があることが示されている。