新型コロナウイルスの影響で、北海道では2020年、物産展など食品関連イベントの中止が相次いだ。札幌商工会議所(札幌市)は、一時的に在庫過多になった企業を支援するため、20年3月10日に急遽「緊急在庫処分SOS!」を開設した。

あれから約1年。名称は「北海道つながるモール〜SOS掲示板〜」に変わり、札幌商工会議所は今も情報発信を続けている。J-CASTトレンドは、現在の取り組みを取材した。

「北海道つながるモール」に変更

J-CASTトレンドは、立ち上げ当初の様子を記事で取り上げている。さらに、その1か月後の2020年4月17日に取材した際、企業の掲載数は256件だった。

1年経った21年3月2日時点で、掲載数は491件に増えた。取材に応じた商工会議所食産業・貿易課の担当者によると、今も申し込みの数は増えている。

当初、掲示板に載っていたのは北海道内の食品関連企業のみ。イベントの中止で在庫が余る中、賞味期限が迫るなど緊急性を要する品がメインだった。現在は食品情報だけでなく、服飾品や雑貨、土産物も掲載されている。

担当者は、現在は北海道の様々な事業者と消費者をつなげる思いを込めて運営しているという。掲示板の名前を「北海道つながるモール」に変更したのも、そうした役割を感じたからだ。

飲食店からの受注激減、取引先が休業

現在も全国各地から注文があり、掲載した企業からは喜びの声が寄せられている。中には、特定の店のリピーターになり、何度も注文する消費者もいるそうだ。

一方で、立ち上げ当初は購入者が一気に増えたのに比べて、その勢いは衰えてきたと担当者は明かす。新型コロナは、いまも収束していない。観光地の多い道内では、様々な店が苦しい状況におかれたままだ。

「SOS掲示板」には「店舗からひと言」の欄がある。

「大手企業様とのお取引がすべて延期になり予定していた在庫が残っております」
「飲食店からの受注激減」
「通常の取引先が閉館、休業、開店休業となっており、売り上げが激減してます」

こんな悲痛な声が並ぶ。担当者は「『処分するしかない』というよりも、在庫は調整しているが、コロナが長期化して売り上げ自体が伸び悩んでいる企業が多い」と説明した。とくに、新しく販路を拡大したくても、その機会がもてずに困っているところが多いそうだ。

担当者は、最後にこう話した。

「開設当初ほどの緊急性はなくなっているように思うかもしれません。しかし、掲載数も増えているように、今も困っている企業があるのが現状です。この事実を知っていただき、さらなるご支援をいただけると大変うれしく思います」。