【シカゴ、ニューヨーク時事】米中両国が貿易協議「第1段階」の合意文書に署名し、中国が米国産品の輸入を拡大することについて、米農業・産業界からは「緊張緩和の良い前兆」(大豆協会)などと歓迎の声が上がる一方、発動済みの対中関税が維持されることへの苦言も聞かれた。

 米最大の農業団体、全米農業連盟は、かつて米農産物の市場として世界最大だった中国は報復関税の導入後、5位に転落したと説明。「公平な競争の場」を望む米国の農家にとって、今回の合意は「重要なステップ」と高く評価した。

 米国食肉輸出連合会は「中国での事業拡大には中国が豚肉・牛肉貿易の国際基準に従うことが極めて重要」と強調。その上で、今回の合意は「この目標に向けて重要な基盤を築く」と指摘した。

 米小規模農家団体「ナショナル・ファーマーズ・ユニオン」は輸出市場の安定化に期待を示しつつ、「中国の問題のある貿易慣行」が改善されるよう求めた。

 産業界も署名を歓迎している。全米商工会議所は「(米中間の)信頼を再構築し、いくらかの安定を回復させるための重要な一歩」と評価。第2段階協議の早期開始を促した。

 一方、全米小売業協会は「全ての関税が撤回されるまで貿易戦争は終わらない」として、発動済み関税の撤回を要望。衣類や履物メーカーなどで構成する米アパレル・フットウエア協会は「合意に伴う関税引き下げが限定的なことに失望している」と不満をあらわにした。