【ワシントン時事】秋の米大統領選に向けた野党民主党の候補者指名争い第2戦の東部ニューハンプシャー州予備選挙で、急進左派のサンダース上院議員(78)が接戦の末、中道派の最若手ブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)を下して勝利した。サンダース氏は格差是正を掲げて富裕層や大企業への増税を提唱。「反ビジネス」色が最も強く、民間の自由な経済活動が損なわれるとの懸念が台頭している。

 米投資調査会社の推計によると、国民皆保険制度の導入を目指すサンダース氏の政策実現に必要な増税額は10年間で約28兆ドル(約3075兆円)。「トランプ減税」を撤廃して連邦法人税率を35%へ戻すほか、富裕層に対して新たな課税を導入する。一方、政府の財政負担は他候補を圧倒。北欧諸国に匹敵する世界有数の「大きな政府」となる。

 銀行と証券業務を分離する「グラス・スティーガル法」復活、金融街の投機取引税、環境汚染につながるシェールガス採掘法や石炭輸出入の禁止―。訴える政策構想には規制強化がずらりと並び、議会を経ずに「大統領令」で強行するリスクもくすぶる。中国に対する制裁関税を支持しており、幅広い業種の株価に下落圧力がかかりそうだ。

 「未検証の大規模な実験は絶対にするべきではない」。民主党のオバマ前大統領の首席経済顧問を務めたサマーズ元財務長官は、サンダース氏の提案を「空想」と切り捨てた。経済界は「誰よりも踏み込んだ『革命家』」(ドイツ銀行のストラテジスト)と警戒する。アイオワ州の初戦に続いて第2戦も左派と中道派が接戦を繰り広げたため、先行き不透明な状況が続きそうだ。