株主総会を開く企業が新型コロナウイルスの感染防止に苦心している。来場者にマスク着用を促すのはもちろん、体調不良を押して出席しなくてもインターネットで議決権を行使できることを伝え、感染リスクを抑えようと躍起だ。

 「株主の席を極力離すなど、いろいろな工夫をした」。25日に東京都内で臨時株主総会を開いた中小型液晶大手ジャパンディスプレイの菊岡稔社長はこう語った。債務超過解消に向けた資金調達を承認してもらうために開催は不可欠。会場入り口に消毒液を用意し、着用していない株主にはマスクを配布。役員も発言のとき以外は着用を心掛けたという。

 25日に定時株主総会を開いた企業のうち、資生堂は事前に「当日の来場を見合わせ、書面またはインターネットによる議決権行使を強く推奨する」と通知した。花王は、例年より議事の時間を短縮し、終了後の株主との懇談会を中止した。

 12月期決算企業の総会は27日がピーク。同日開催の企業では、カゴメが接触感染のリスクを減らすため、お土産の配布をやめる。楽天は、議決権をネットか書面で行使するよう要請。来場者を検温し、発熱があれば入場を断る。

 6月に総会を予定する3月期決算企業の多くは事態収束を見通せず、頭を抱えている。法務省は状況に応じて延期も可能との見解を示すが、その場合、役員交代などに影響が及ぶ。株主が会場へ行かずにネット経由で参加できる「ハイブリッド型」と呼ばれる方法もあり、総会の運営を支援する三菱UFJ信託銀行には相談が増えている。