日本が韓国に対し、半導体材料などの輸出管理の厳格化を打ち出してから1日で1年。日本が問題視した韓国側の管理体制の不備は依然解消されない一方で、韓国では国産品製造や日本以外から調達する「脱日本化」が加速。日本メーカーのシェアが低下する懸念も出ている。元徴用工問題で両国関係が冷え込む中、韓国は輸出管理でも態度を硬化させ、問題は暗礁に乗り上げている。

 日本は昨年7月、韓国に輸出した物資が軍事転用される懸念が拭えないとして、フッ化水素をはじめとする半導体材料3品目などについて管理を厳格化。韓国は猛反発し、世界貿易機関(WTO)提訴といった対抗措置を相次ぎ発動した。

 経済産業省が安全保障上問題がないと判断した案件は個別に許可しているが、フッ化水素の対韓輸出額は現在も厳格化前の2割程度に落ち込んだままだ。

 韓国はこの間、半導体材料の国産化や欧州など他の輸入先の開拓を進めている。日本総合研究所の向山英彦上席主任研究員は、高品質の素材は現在も日本の方が優れていると指摘しながらも「韓国の日本依存は弱まるため、より高品質な製品を作ることで対抗するしかない」と指摘する。

 韓国は、米国の仲介で昨年11月に軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を撤回したのを機に対話路線に転じ、貿易管理でも法整備の改善を進めたと主張。にもかかわらず、日本が措置撤回に応じないとして今年6月、WTOへの紛争処理小委員会(パネル)設置要請に踏み切った。

 梶山弘志経産相は30日の記者会見で「これまでの合意をほごにしかねない」と懸念を示し、対話への復帰を促した。しかし、韓国が態度を軟化させる兆しはない。