引き継がれる「ひめゆり」=戦後世代が平和講話―沖縄

 太平洋戦争末期に激しい地上戦の舞台となった沖縄県。糸満市のひめゆり平和祈念資料館では、戦争体験のない職員による平和講話が続いている。高齢化を理由に元ひめゆり学徒が講話活動から事実上身を引いてから約2年半。ひめゆりの記憶は戦後世代に引き継がれていく。

 同館職員の尾鍋拓美さん(36)は13日、2014年に86歳で亡くなった元学徒で、語り部だった宮城喜久子さんの体験を伝えた。ひめゆり学徒隊は1945年3月に動員され、16歳だった宮城さんは治療道具なしで負傷兵の看護や遺体の埋葬作業を続けた。同年6月に学徒隊の解散命令が出た後は、重傷の同級生を壕(ごう)に残して避難せざるを得なくなり、別の同級生も米軍の爆撃で亡くした。

 同日の講話では、生き残ったことへの罪悪感や同級生遺族への思いから、宮城さんが戦後しばらく自身の経験を語ることができなかったと明らかにされた。「平和じゃないと生きられない事実を胸に刻んでください」と話す生前の映像も流された。尾鍋さんは「元学徒隊の語り部は亡くなった友人たちのことを伝えたいと思っていて、自身が経験した苦しみの多くは話してこなかった。私たちがその部分を伝えることができたら」と話す。

 学徒隊には、当時15歳から19歳の女子生徒222人が動員され半数以上が亡くなった。元学徒隊の語り部は現在8人。多いときで年間1000回以上行われた講話も、現在は年数回の特別な機会に実施するのみだが、15年3月に講話活動を終了した島袋淑子館長(89)は「若い職員の講話は安心して見ていられる」と話す。島袋さんの引退後、戦後世代による講話は400回以上に上り、継承は確実に進んでいる。

 一方、戦後72年がたち、戦争の記憶が薄れていく中、資料館は来館者数の減少という課題にも直面する。16年度の来館者数は約58万人で、10年前に比べ約33万人減少した。普天間朝佳副館長(57)は「戦後世代が戦争と向き合う重要な施設。子供や孫に戦争を伝える場所として重要になっていく」と、来館を訴えている。 

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