日本政府は中東海域で2月下旬から情報収集活動を始める海上自衛隊護衛艦の補給地をアラブ首長国連邦(UAE)とオマーンに置く方向で最終調整に入った。UAEは米国、オマーンはイランとそれぞれ関係が良く、米イランの橋渡しを模索する日本政府として双方の立場に配慮した形だ。

 安倍晋三首相の11〜15日の中東訪問は、護衛艦の補給地確保に向けて協力を取り付けるのが狙いの一つだった。UAEでは国政の実権を握るアブダビ首長国のムハンマド皇太子から「沿岸国として具体的な支援を惜しまない」との言葉を引き出し、オマーンでもアスアド国王代理から「協力したい」との言質を取った。

 首相同行筋は「今回の訪問で補給拠点確保に向けた地ならしはできた」と言明した。日本政府は2月2日に予定される護衛艦「たかなみ」の出港をにらみ、UAEのフジャイラ港、オマーンのサラーラ港の活用を軸に両国政府と調整を急ぐ。

 日本政府が護衛艦の補給地にUAEとオマーンを選んだのは、護衛艦が活動するオマーン湾とアラビア海に面しているという地理的条件に加え、「外交的配慮」(外務省関係者)が大きい。

 UAEは米軍主導の有志連合による「センチネル(番人)作戦」に参加し、イランと反目。一方、オマーンは湾岸協力会議(GCC)加盟国の中で唯一、イランと友好関係を保っている。双方に拠点を置けば米国の面目を保つとともに、イランを刺激することも避けられるというわけだ。

 一方、オマーンでは中国が巨大経済圏構想「一帯一路」の一環で巨額の資金を投下し、影響力を強めつつある。日本政府には護衛艦の拠点化をきっかけにオマーンとの関係を深め、「中国オマーン関係にくさびを打ち込む」(関係者)狙いもありそうだ。