【ワシントン時事】トランプ米大統領は23日、新型コロナウイルスに絡むアジア系米国人への中傷が相次いでいることに対し、「感染拡大はアジア系米国人のせいではない」と強調した。ホワイトハウスの記者会見で、「アジア系米国人のコミュニティーを守ることが大切だ」と訴えた。ただ、トランプ氏が新型ウイルスを「中国ウイルス」と呼び、人種差別を助長したという批判も出ている。

 新型ウイルスの感染が中国から世界に広がったことで、米国では中国系だけでなくアジア系米国人全体への誹謗(ひぼう)や嫌がらせが頻発。サンフランシスコ州立大の調査では2月上旬からの1カ月で新型ウイルスに関係する差別の報道が50%増えたという。ロサンゼルスで取材していたCNNテレビの韓国系米国人記者も「生中継の準備中に通行人から人種差別的な中傷を受けた」と明かした。

 またトランプ氏は23日の記者会見で、「中国ウイルス」という言い方を控え、「ザ・ウイルス」と呼び始めた。人種差別批判をそらすと同時に、対中関係の悪化を避ける狙いもありそうだ。新型ウイルスをめぐっては、「中国が発生源だ」と強調し、初動対応を批判する米国に対して、中国側は「米軍関与説」を持ち出すなど非難の応酬が続いた経緯がある。

 中国の崔天凱駐米大使は、これに先立ち22日公開された米ネットメディア「アクシオス」のインタビューで、中国外務省の趙立堅副報道局長が紹介した「米軍研究施設が新型コロナの発生源」と示唆する説を「どうかしている」と一蹴。中国政府の統一見解ではないとの姿勢を示し、米側に「和解」の糸口を探るメッセージを送っていた。