【バンコク時事】世界で激しさを増す新型コロナウイルスのワクチン開発競争に、タイも名乗りを上げている。順調なら来年にもワクチンを供給できる見通しで、アヌティン保健相は「開発に成功する最初の国の一つになりたい」と意気込む。

 タイでは5種類のワクチンを開発中。このうちワクチン製造大手バイオネット・アジアは「DNAワクチン」と呼ばれるタイプを手掛ける。アヌティン保健相は25日、「マウスを使った実験で抗体が作られ、安全性も確認された」と説明。バイオネット社のウィトゥーン社長は「7月末か8月初めに治験を開始し、来年の早い時期から量産したい」と語った。

 中部サラブリ県のチュラロンコン大学霊長類研究センターでは「mRNAワクチン」を開発している。マウスの実験を終え、5月にサルへの投与を開始。今月22日に2度目の接種を行った。

 スウィット高等教育・科学・研究・技術革新相は「十分な抗体が作られ、副作用もない」と述べ、10月にも治験を始める方針を示した。研究チームは来年末までに、1回当たり1000バーツ(約3500円)以下に抑える低価格での供給体制を整えたい考えだ。

 ワクチン開発は欧米や中国で進むが、供給不足に陥る可能性も指摘されており、タイは独自開発に全力を挙げている。