森中謙介 著
株式会社新経営サービス人事戦略研究所マネージングコンサルタント 
A5判/192ページ/3000円+税/第一法規株式会社 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする高年齢者雇用安定法をはじめとして、高年齢者の雇用・処遇等への関心はますます高まっている。労務行政研究所が2019年に実施した「高年齢者の処遇に関する実態調査」では、高年齢層の雇用施策を展開する上で今後の課題となっている項目(複数回答)として、「モチベーションアップの施策」63.3%が最も多く挙げられた。本書は、シニア活用に課題を感じている企業へ向け、経験豊富なコンサルタントが現状分析の手法を丁寧に解説する1冊だ。
■ 筆者が感じている中小企業の取り組みの実情は、①自社の実態を詳細に把握し、計画的にシニア活用に取り組んでいる「先進型」、②自社の実態はある程度把握しているが、さまざまな制約から現時点では計画的に取り組めていない「様子見型」、③自社の実態をほとんど把握しておらず、議論すらスタートできていない「放置型」の3タイプに分かれるという。この「様子見型」と「放置型」に分類される企業に対し、「先進型」企業において取り組まれている現状分析の方法をまとめ、「人員分析」「賃金・人件費分析」「シニアの環境分析」の手法を豊富な図表とともに解説していくことが、本書の大きな狙いとなる。
■ 本書の後半では、「60歳定年−継続雇用制度の改革事例」「60歳以上への定年延長制度の改革事例」として、タイプが異なる6社の事例を紹介している。実際に筆者がコンサルティングを担当した企業をベースに作成したモデル事例を中心とし、給与額や等級体系はもちろん、人事評価シート、定期面談シートといった具体的なツールまで余すところなく説明されているため、自社のイメージするシニア活用のヒントを得られるだろう。本書を入門書として、真にシニアが活躍できる組織を作り上げていただきたい。

 



人手不足を円満解決 現状分析から始めるシニア再雇用・定年延長

内容紹介
シニア活用・シニア人事制度改革の入門書。
シニア活用に関する世の中全般の動きを俯瞰しつつ、自社の課題抽出と取組み方針の策定に役立つ「現状分析」の手法を平易に解説。
具体的な人事制度の構築方法や企業事例も紹介する。
「人材の確保・定着のための手段の一つとしてシニアを活用する必要に迫られている企業」の労務担当者を対象に、まず自社の現状を把握したうえで、必要かつ対応可能な範囲で雇用制度や施策を見直し、シニアの活用を進める方法を、具体的な成功事例を用いながら解説する。
ジンジュール