5人を知る辻仁成が語る「嵐ロスの乗り越え方」(JINSEIのスパイス!第17回)

【今週の悩めるマダム】

嵐の活動休止が発表され、物心ついたころから大ファンの高校2年生の娘が意気消沈しています。その落ち込みようは想像以上で、「生きがいがなくなった」とまで言っています。ご飯すら喉を通らない状態です。私はもともとアイドルには興味がないので、どう慰めていいかわからず困っています。(愛知県在住・50代女性)

嵐の人気と影響力は絶大ですからね。お嬢様の意気消沈ぶりが手に取るように伝わってきます。でも、解散したわけではないですし、嵐の皆さんだって5人でいろいろと考えて悩んで苦しんで決めたことでしょう。そして、決まった以上、彼らはそこへ向かって動き出しているのも事実です。まず、「彼らも嵐であると同時に一人一人違った人間であり、それぞれに歩かなければならない人生があるのよ」と教えてあげてください。その上で「彼らは小さいころからずっと嵐という人生を生きてきた。今後、一人一人の人生を尊重する活動にもう一度ゼロから進もうとすることは実に立派なことじゃないかしら。あなたなら、変わらず応援できる。温かい目で見守って、彼らが戻って来る日を待ちましょう。その日は必ず来るわ」と伝えてみましょう。

嵐の5人が人間として大きな門出に立ったことをきっとファンの人なら理解できます。でも、寂しいのも当然。いつもそこにいた人たちが旅に出てしまったのですから、よく分かります。

ところで私、嵐の小説を書いたことがあるんですよ。だから、その辺のおじさんよりはずっと嵐のことを知っているという自負もあります(笑)。タイトルは『去年と違う夏』(非売品)。もともとはメンバー5人が“嵐ではない別の人生”を演じたauのCMが話題になり、その小説版を私が書き下ろすことになったんです。当時はauのサイト上で公開されていました。'09年にauショップで無料配布された小説の冊子は50万部以上刷ったそうですが、一瞬でなくなったらしいです。櫻井翔さん編が「ぼくはぼくの人形ケースに戻る」、松本潤さん編が「サボテンの心」、大野智さん編が「太陽の下で会いたいな」、二宮和也さん編が「どんなにアドリブをいれても」、相葉雅紀さん編が「遠くの空は晴れている」でした。5人それぞれを主人公にした物語ですが、僕なりに彼らをイメージして書かせていただきました。

いまから思えば、この『去年と違う夏』というタイトルは、彼らの未来を予言するものだったのかもしれません。今年の夏は、きっと彼らにとって大きなステップとなる年ですからね。相葉さん編の「遠くの空は晴れている」こそ、まさに彼らの心境にぴったりかもしれませんね。ここは曇り空だけど、見てください。遠くの空は晴れていませんか? それは人生という荒波を、彼ら5人もまた一生懸命生きているということに繋がります。

この作品、こっそりと読み直してみたのですけど、なんだか、今日の彼らを想像させる箇所があって、作者でありながら、涙ぐんでしまいました。まずは、活動休止までの2年、ファンの皆様、ともに走り抜きましょう。そのパワーが彼らと彼らの未来を力強く支えるのだと思います。

【JINSEIの格言】

嵐の活動休止は文字どおり「休んで止まる」ということ。走り続けることだけが人生じゃない。長い一生を生き抜くには、自分をリセットするタイミングも絶対に必要不可欠ですから。



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