【今週の悩めるマダム】 昔のものを整理していたら、10年以上前のデジカメが出てきて、そこに夫と出会う前の彼氏との写真が残っていました。運悪くその写真を夫に見られてしまい、夫婦関係がギクシャクしています。私は夫一筋で、結婚8年目、もちろん浮気は一度もありません。でも夫は私に背中を向けて寝るようになりました。(兵庫県在住・40代女性)

男というのは難しい生き物ですね。このような場合、とくに真面目な男性ほど大きく傷つくものです。昔、僕にも同じような経験がありました。30年以上も前の話でもう時効でしょうから、ここに書いてもいいかと思います。

当時、僕には同世代の恋人がいました。彼女の家に遊びにいったとき、ある本の中から1枚の写真が出てきたのです。たまたま好きな作家の本だったので手に取ってページをめくったら、そこに彼女と知らない男性との親密な写真が挟んでありました。なぜそんな写真が挟んであったのかわかりませんが、きっと、僕と出会う前にそこに挟んで忘れていたのでしょうね。もしかすると、落ち葉のように、思い出の栞(しおり)にしたかったのかもしれません。どこかに旅行した時のもので、2人がテラスで抱き合っている写真でした。ホテルの人に撮影してもらったものでしょうか。そのときの彼女はとってもキュートで幸せそうで、また元カレもハンサムな青年でした。最初に思ったのは、僕に出る幕はないな、というような気弱な感情でした。

写真を本に戻し、しばらく黙っていましたが、その写真が頭から離れなくなります。僕は彼女に会いづらくなって、結局、離れてしまいました。「どうしたの?」と何度も連絡が入りました。問い詰められて、逃げられなくなり、やっと「その本をめくってみてよ」と白状するのです。「これは昔の思い出だし、私にとって彼はもう終わった人だから」と言われましたが、一度折れてしまった心というのはなかなか修復できません。情けない話です。「分かった。忘れるよ」と誓ったのですが、結局、乗り越えることができませんでした。それが原因で、別れることになります。僕たちは20代でしたし、いろんな意味で若すぎたのです。

話を戻しましょう。きっとご主人は奥様のことをとっても愛しているのだと思います。だから激しく落ち込んでいるわけです。なので、完全に誤解を払拭するまで向き合ったほうがいい。「分かったもういいよ」と言っていても彼はまだ乗り越えていません。しつこいくらい「そうじゃない。このままじゃ嫌なんです」と言い続けて愛を取り戻してください。これは僕の小説の中のセリフなのですが、嫉妬深い彼に、彼女が「そんなに焼きもちばかり焼かれたら辛(つら)い」と文句を言うと、その彼が「焼きもちを焼かなくなったらおしまいだよ」と言うやりとりがあるのです。ご主人はあなたのことをとっても愛しているのですよ。愛していなければ気にもしないでしょう。あとは死ぬ気で強い信頼を取り戻すしかありません。時間はかかりますが、信頼を取り戻すためには、時間と誠意しかないのです。

お2人は20代の若者じゃないですし、それだけの年齢を生きているのですから、きっと乗り越えられるはずです。

【JINSEIの格言】 ご主人は奥様のことをとっても愛しているのですよ。あとは死ぬ気で強い信頼を取り戻すしかありません。時間はかかりますが、信頼を取り戻すためには、時間と誠意しかないのです。

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