2020年、新型コロナウイルスの影響で自宅でのテレワークの推進、感染予防の観点から「外食から中食」へ需要がシフトした私たちの食習慣。そこで街中で見かける機会が増えたUber Eats(ウーバーイーツ)の配達パートナー。アプリを通じたフードデリバリーサービス・ウーバーイーツは2015年12月にカナダ・トロントでサービスが始まった。現在では45以上の国と地域、6000以上の都市で展開されている。

Uber Eats 日本では31都道府県で展開

 日本でのスタートは2016年9月。2020年11月には31都道府県までサービス範囲が拡大、グローバル展開のファスト・フード店や地元のレストランまで幅広く選択できる(近畿では兵庫・大阪・京都・奈良・和歌山の2府3県)。「自分の好きなスケジュールで自由に稼働できる」メリットや「登録すれば誰でも稼働できる」手軽さもあり、配達パートナーの登録者が大幅に増えた。年齢層も広がり、女性の活躍も目立つ。20代の配達パートナーの男女に聞いた(※個人情報保護の観点から名前は仮名、配達エリアは近畿)。

Uber Eats 交通ルールは厳守

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◆ヨシキさん(25歳)

「もともとコンピューター関係の営業職。資格を取りたくて、去年の12月に会社を辞めました。いまはその勉強をしつつ、お金を貯めようとしていたので「個人事業主」という形態に興味を持ちました。ウーバーがどういうものか知りたいのもありました。2月中旬に登録してすぐに、コロナ感染拡大期に、思わぬところで注目されることになりましたね。僕が登録したころは20代〜30代が圧倒的に多かったのですが、登録するドライバーの年齢層が上がったような気がします。僕ら20代だけじゃなくて、40代〜50代の方も増えましたね。そういう年代のウーバーの配達パートナーと街ですれ違うとことも、ほんとに多くて。話を聞いたら派遣切りに遭ったり、自営のお仕事がうまくいかなくなったりで」

Uber Eats さぁ、次の配達先へ

「配達先で多いのがファスト・フードですね。大手ハンバーガーチェーンからのニーズが多いです。お弁当も増えたかな。最近はショップが大きく減りましたが、春先まではタピオカも。1日ぶっ通しでやることが多いですね。遅いときで夜8時ぐらいまでは配達します。1回の配達で、かなりのの距離があると1時間で1〜2回ぐらいの配達しかできないこともありますが、日によってまちまちです。実は僕、コーチングの資格を取ろうと思ってます。相手のやりたいことは何かを見つけて、引き出す、みたいな(コーチングはアメリカが発祥とされ、一般的に『個人の成長や組織の発展を後押しするコミュニケーション』と定義されることが多い)。withコロナの時代に、それぞれが本当に納得できる仕事や社会活動ができるような社会にしたい。そのサポートができるコーチングができれば、それに向けて頑張っていけたらなぁ」

◇リナさん(26歳)

「ウーバー歴2年です。それまでは仕事も転々としていました。アパレルの販売に、スポーツジムのインストラクター。好きな時間に働けるのはいいですね。今年、ニーズは本当に増しましたよ。だんだんほかの配達業者さんも増えて、競争は激しいです。特に夏は暑くて大変でした。でも背負うバックは温度調節がしっかりできますから、夏もお料理は傷まないし、冬も保温したまま届けることができます。仕事がないときもあったけど、これが派遣の仕事と並行して生活の糧になりました。もともと体力には自信もあったので、この仕事が水に合ったのかな」

Uber Eats 女性も活躍、体力勝負で!

「いつもデリバリーのオーダーをいただくイタリアンレストラン、これまでだったら生き生きしてたお店の人たちも、4月に緊急事態宣言が発令されたときは、少しこわばった表情で『しばらくお店を休業するから、デリバリーをお願いすることがなくなってしまう。ごめんね』と声をかけてくれたり。でも、夏から秋に少しづつお客さんが増えてきたりすると、お店の明るい雰囲気も戻ってきたりね。飲食業はまったく知らなかった私ですが、お店の人から食品ロスの問題や、きめ細かいサービスについても教えてもらうことが多いです。ただ料理を提供するだけじゃなくて、思いを料理に込めているお店って多いですよ。ここにきて第3波、また営業自粛要請が出ていますが、私は去年よりも忙しいです。だって、去年のクリスマスの時期はみんなお店でお食事していましたよね。それなりに飲み会もありましたし。でも今年は『おうちで』が当たり前になってしまいました。きょうも5件回りました。これから6件目。早く行かないと、チーズハンバーグ、チーズが固まるから……行ってきます!」

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 フードデリバリー業界はウーバーイーツ、出前館が2強とされ、新規参入も相次いでいるため競争も激しい。ウーバーイーツを運営するウーバージャパン(本社・東京都渋谷区)は配達パートナーの実数を公表していないが、新型コロナウイルスの影響による失業者が7万人を超える中、雇用の受け皿となった側面もあり、2020年は大きく雇用者数が増えたとみられる。配達パートナーは「個人事業主」。労災保険や雇用保険、最低賃金など労働法規による保護がないというリスクもある。

 こうした雇用形態のあり方に加え、運転マナーの向上や事故防止など、需要の高まりとともにさまざまな課題も浮上している。