「三山春秋」【上毛新聞】

▼米国留学を考える人たちを対象とした講演会が先週、前橋市内で開かれ、ニューヨークを拠点に日本人留学生のサポートに取り組む大沢直美さんが講師を務めた▼大沢さんは高校卒業後、同国に留学した。大学卒業後も帰国せず、現地の企業に就職。その後、留学生支援などを手掛ける企業に転職して8年間務め、昨年夏に独立した▼講演会では同国の教育システムや留学手続き、同国での仕事など幅広く紹介。その中にこんな言葉があった。「日本の文化について分かっている、あるいは、自分はこう考えていると伝えられる。それが世界で活躍できるキーワードの一つ」▼海外で活動していると、日本の歴史や文化、地理についてよく質問される。それに対して的確に説明し、自分の考えを伝えることが肝心だ。つまりは「自分をしっかり持つこと」が必要という▼2020年の学習指導要領改訂を見据え、英語教育の充実を図る市町村が増えている。小学校低学年から外国語活動や「英語科」を導入したり、中学生の英検受検料を全額負担する取り組みもある▼世界で通用する人材を育てるために、英語力を向上させることは大切だろう。しかし、日本や自分が暮らす地域の歴史文化、風土を学ぶことも同じくらい大切なはず。そうした努力や工夫を、これまで以上に深めてほしい。

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